研究概要 |
平成25年度はApplied Biosystems社TaqMan probe法(TaqMan SNP Genotyping Assays)を使用したMRP4、TPMT、ITPase の3 遺伝子におけるSNPsの同時解析法をもとに、潰瘍性大腸炎・クローン病患者および健常者ボランティア合計387人のサンプルDNAにおいて検討を行った。 QIAGEN DNA Blood MiniPrepを使用したDNA採取から、結果の解析と判定までかかった時間は平均112分であった。うち、4名の患者において、その結果を踏まえて投与薬剤の減量を行った。 また、減量投与を行った患者4名は、6-TGNの測定を2か月ごとに施行し、副作用の出現について経過観察を行ったが、いずれの症例においても6-TGN濃度は安定し、また、白血球減少や脱毛などの有害事象の出現は認めなかった。 このことより、通常外来における薬剤感受性遺伝子MRP4, TPMT, ITPaseの投与前診断は可能であり、またその結果をもとに投与量の減量をおこなうことが有用であることが明らかとなった。 これまで6-TGN濃度と白血球減少など有害事象の出現とは相関しないとされてきたが、今回の検討によりMRP4, ITPase SNPsのminor組み合わせ内での検討では、6-TGN濃度が白血球数と相関することが明らかとなった。今後は、6-TGN濃度単独ではなく、MRP4、TPMT、ITPase の3 遺伝子におけるSNPsを加味した評価で投与量を決定するプロトコールを作成中である。
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