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2011 年度 実施状況報告書

統合的ゲノム・エピゲノム解析を用いた消化器癌の化学療法における感受性予測

研究課題

研究課題/領域番号 23590938
研究機関京都大学

研究代表者

西村 貴文  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40378732)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード下部消化管学
研究概要

本研究は消化器癌のゲノム異常及びエピゲノム異常を解析することにより、化学療法における特定の薬物に対する感受性・抵抗性を予測することを目的とする。 計画としては化学療法を受ける進行または再発の胃癌・大腸癌各40 例を対象にSingle Nucleotide Polymorphism (SNP) array を用いた染色体コピー数解析、直接シークエンス法による遺伝子変異解析、COBRA法による遺伝子プロモーターメチル化解析を行い、各薬物における化学療法時の抗腫瘍効果(腫瘍縮小反応・無増悪生存期間)との相関を検討することとした。 本研究は臨床検体を用いた遺伝子解析を含むため、まず三省指針に従った研究計画書を作成し、京都大学大学院および京都大学医学部附属病院医の倫理委員会に申請し承認を得た(承認番号G428、承認日:平成23年8月11日)。また2004年11月以降、京都大学医学部附属病院で化学療法を受けた進行再発胃癌135例、進行再発大腸癌408例を外来化学療法部データベースより抽出し、治療歴から以下の候補症例を選定した(重複を含む):オキサリプラチン評価対象大腸癌48例、イリノテカン評価対象大腸癌35例、ベバシズマブ評価対象大腸癌49例、ティーエスワン評価対象胃癌48例、イリノテカン評価対象胃癌76例、パクリタキセル評価対象胃癌86例 また、染色体解析のためのSNP array及び反応キットを購入し(Mapping 500K Nsp, アフィメトリックスジャパン)、新たに解析システムを構築した。テスト症例では(以下染色体短腕をp、長碗をq、欠失を-, 重複を+で表す)-4q, +5, -8p, -9q, +12q, -13q, +13q, -14q, -16q, +17q, +20などの多彩な染色体異常が検出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では平成23年度中に(1)プロトコル作成と倫理委員会の承認取得、(2)対象症例の選定、(3)抗腫瘍効果判定(4)ホルマリン固定パラフィン包埋切片からのDNA抽出を行う予定であったが、このうち(2)(3)の作業に予想以上の時間を追加し、またSNPアレイ解析の仕様が変わったために新しくシステムを立ち上げ直し、その予備実験を行うのに時間がかかったため、(4)が実施できなかった。

今後の研究の推進方策

病理部に申請し選定した症例から検体を取得し、キットを用いてDNAを抽出する。抽出したDNAは吸光度比、アガロースゲル電気泳動による断片化のチェックなど厳重な品質管理を行ったのち、当初の予定通りのSNPアレイを用いた染色体解析、遺伝子変異解析を行う。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費は主にDNA抽出のためのキット、染色体解析のためのSNPアレイ及び反応試薬、遺伝子変異解析のためのシークエンス反応キット及びキャピラリーシークエンサーに必要な消耗品の購入に充当する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Temporary blood pressure drop after bevacizumab administration is associated with clinical course of advanced colorectal cancer2011

    • 著者名/発表者名
      Kanai M, Ishiguro H, Mori Y, Kitano T, Nishimura T, Matsumoto S, Yanagihara K, Chiba T, Toi M.
    • 雑誌名

      Br J Cancer

      巻: 105 ページ: 1693-8

    • DOI

      10.1038/bjc.2011.398.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A case of progressive digital ischemia after early withdrawal of gemcitabine and S-1 in a patient with systemic sclerosis2011

    • 著者名/発表者名
      Zaima C, Kanai M, Ishikawa S, Kawaguchi Y, Masui T, Mori Y, Nishimura T, Matsumoto S, Yanagihara K, Chiba T, Mimori T
    • 雑誌名

      Jpn J Clin Oncol

      巻: 41 ページ: 803-6

    • DOI

      10.1093/jjco/hyr045

    • 査読あり
  • [学会発表] 肝細胞がんに対する生体肝移植後の転移再発予測因子探索のための統合的ゲノム・エピゲノム解析

    • 著者名/発表者名
      西村貴文、西田直生志、上本伸二、福田善弘.
    • 学会等名
      第70回日本癌学会総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      平成23年10月5日

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公開日: 2013-07-10  

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