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2013 年度 実績報告書

生物学的製剤抵抗機序におけるヒト腸内細菌フローラパターンの経時的変化

研究課題

研究課題/領域番号 23590948
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

岡沢 啓  慶應義塾大学, 医学部, 講師(非常勤) (50286457)

研究分担者 金井 隆典  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40245478)
キーワード腸内細菌フローラ / 炎症性腸疾患 / probiotics
研究概要

炎症性腸疾患(IBD)は原因不明の慢性腸管炎症性疾患である。近年、Tumor necrosis factor (TNF)-αに対する生物学的製剤をはじめとした宿主の免疫応答を調整する薬剤の有効性により、免疫異常の関与は明らかである。さらに、近年、ヒトやマウスモデルに於いての腸内細菌叢がIBDに限らず、他の自己免疫疾患、糖尿病、NASH、自閉症など幅広い疾患との関連が示唆され、その原因として腸内細菌叢が宿主の異常な免疫応答を惹起していることが想定されているが、詳細な検討はいまだなされていない。我々は、前年度より引き続き高感度16S-rRNA RT-PCR法を用いて、新規腸内細菌叢ライブラリの作成、疾患関連細菌叢の探索、probioticsの候補を検討してきた。
活動期潰瘍性大腸炎患者15名、クローン病患者11名で治療前後(infliximab, FK506, Corticosteroid)での糞便解析から、潰瘍性大腸炎患者において、治療により寛解導入された患者では有意に腸内細菌数が増加していることが明らかとなった。一方で、寛解導入されなかった群では腸内細菌数の増加を認めなかった。
我々は、これらの活動期に減少し、治療後に増加している細菌のうち、特にClostridium coccoides groupに着目し新規probioticsの候補が存在すると仮設した。これらのClostridiaのうち、培養に成功した菌を用いて、デキストラン硫酸(DSS)誘発大腸炎モデルの病態修飾効果を検討したところ、Clostridium coccoidesの死菌体投与により腸炎は有意に改善した。
さらにマウスモデルにおける腸炎抑制効果について検討したところ、Clostridiaの死菌体との共培養が、大腸粘膜固有層よりIL-10の産生を増強していることが明らかとなった。さらに、ヒト大腸検体でも、同様にIL-10の産生増強を認めた。これらのことから、Clostridia に新規probioticsの候補が存在する可能性が示唆された。

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公開日: 2015-05-28  

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