研究課題
1. 小腸組織内での神経伝達物質とその受容体の組織学的解析マウス小腸切片の免疫組織染色結果から、神経伝達物質であるVasoactive intestinal peptide (VIP、血管作動性腸管ペプチド)陽性神経細胞が、小腸上皮幹細胞近傍あるいは小腸上皮幹細胞近辺の筋上皮細胞の直下に存在していることが明らかになった。また、VIPの受容体(VPAC1)を持つのは小腸上皮幹細胞ではなく、パネート細胞であることも判明した。小腸から分離したクリプトや、クリプト培養によって得られた小腸オルガノイドの免疫組織染色結果からもパネート細胞がVPAC1を持つことが確認された。パネート細胞は、小腸上皮幹細胞のニッチ細胞としての機能を持っていることから、小腸内の神経細胞は、VIPを分泌し、パネート細胞を介して小腸上皮細胞の増殖や分化を制御している可能性が考えられる。2. 小腸腺腫マウスでの粘膜固有層内神経系の組織学的解析家族性大腸腺腫症のモデルマウスであるApc Minマウス(Apc遺伝子のヘテロノックアウトマウス)では、大腸ではなく小腸に腺腫が多発する。腺腫部位の粘膜固有層内でVIP受容体(VPAC1)陽性の神経細胞集団が散見された。神経系の異常が腺腫形成やその腫大に関わっている可能性が示唆された。
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Scientific Reports
巻: 3 ページ: 3224
10.1038/srep03224