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2013 年度 実績報告書

RNP構成因子DDX20によるB型肝炎関連肝癌の抑制機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23590960
研究機関東京大学

研究代表者

五藤 忠  東京大学, 医学部附属病院, 臨床登録医 (40444088)

研究分担者 吉田 晴彦  東京大学, 医学部附属病院, 臨床登録医 (60240305)
大塚 基之  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90518945)
キーワード肝癌 / DDX20 / microRNA
研究概要

最終年度はDDX20の発現低下に伴う肝発癌の分子機構について、最終的な検討を行った。
肝癌ではDDX20の発現が低下していることが多いことはこれまでの組織学的な検討で明らかになっていたが、その分子機構解析で、DDX20はmicroRNAの成熟に必要な複合体の形成因子であり、その発現が低下するとあるサブセットのmicroRNAの発現が減少することも示してきた。
最終年度はその一つであるmicroRNA140-5pの発現が減ることをmicroRNA140-3pの発現量変化との比較によって示した。microRNA140-5pの発現が減ることによってその標的因子であるDMNT1の発現が増強し、その結果、標的分子であるメタロチオネインの発現が減ることが明らかとなった。メタロチオネインは細胞内の解毒酵素のひとつであり、その発現がへることによって細胞内のNF-kB作用が増強され発癌に結び付く可能性が示唆された。実際にmicroRNA140のノックアウトマウスで肝臓に化学発癌を惹起したところ、microRNA140のノックアウトマウスでは発癌が増えるとともに、Dnmt1の発現が増えてNFkBの活性が増強していた。
これらの結果から、B型肝炎感染に伴ってDDX20の発現が減少することにより、細胞内のDnmt1の発現が増え、NFkB活性が増強することが、B型肝炎からの易発癌性のひとつの機序となっていることが示唆された。これらの結果を踏まえると、microRNA140の補充やNFkB阻害などが肝発癌の抑止に効果を示すことが想定され、今後の肝発癌抑止策に寄与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] MicroRNA-140 acts as a liver tumor suppressor by controlling NF-κB activity by directly targeting DNA methyltransferase 1 (Dnmt1) expression.2013

    • 著者名/発表者名
      Takata A, Otsuka M, Yoshikawa T, Kishikawa T, Hikiba Y, Obi S, Goto T, Kang YJ, Maeda S, Yoshida H, Omata M, Asahara H, Koike K.
    • 雑誌名

      Hepatology

      巻: 57(1) ページ: 162-70

    • DOI

      10.1002/hep.26011

    • 査読あり
  • [備考] 研究グループのホームページ

    • URL

      https://sites.google.com/site/225kenncrna/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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