研究課題/領域番号 |
23590963
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
山敷 宣代 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90420215)
|
研究分担者 |
菅原 寧彦 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (90313155)
|
キーワード | 臓器移植 / 地域医療連携 / シミュレーション |
研究概要 |
本研究では,移植適応評価開始から登録まで, および登録後移植に至るまでの予測モデルを作成する. 潜在的に肝移植を必要とする患者数を調査し, 移植適応患者紹介の実態と問題点を把握する. 両者の結果を統合し, 「死亡」「脱落」の転帰をとる患者を減らし「移植待機」または「移植」となる比率を増加するための医療指針および医療システムを社会に提案することが目的である. 平成23年度には,血清学的指標に基づいたModel for End-stage Liver Disease score (MELD score)と,肝硬変の重症度の指標であるCPT scoreの時系列解析を行い,一定期間でどのような状態に遷移していくかをシミュレーションした.平成24年度はシミュレーション結果にもとづき移植待機患者の遷移モデルを作成,待機患者数とドナー発生数を変えた様々な条件下で待機中死亡者数がどのように変化するかを解析した.同じ移植件数であっても,待機患者の状態(MELD scoreまたはCPT scoreで表現)を見直す頻度を上げることで,待機中死亡を減らす可能性が認められた.また,移植適応患者紹介の実態と問題点を把握するために,肝移植症例の紹介を受けたことのある医療機関を対象として,アンケート調査を行った.平成24年度にはその結果を解析し報告した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 地域医療連携における実態把握 平成23年度には、肝移植適応についての意識調査を目的に、地域医療機関へのアンケートを作成し252施設に送付,103施設から回答を得た.平成24年度には、回答を解析し、論文発表をした。 2. 予測モデルの作成: 平成24年度には、前年に作成した時系列データに基づいた遷移確立を利用し,肝移植待機リスト登録してから移植,死亡,脱落といったアウトカムに至る確率を導き出すモデルを作成した.パラメーターを設定し,シミュレーション解析を行った.結果を論文投稿中である.
|
今後の研究の推進方策 |
1. 地域医療連携における実態把握: 学会報告等にて結果を公表し,肝疾患に関わる医師に認知してもらえるようにする. 2. 予測モデルの作成: 論文投稿および学会報告にて研究成果を整理し公表する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
学会発表のための出張費,論文出版費,データベース整理.
|