研究課題
脂肪組織由来間質細胞への遺伝子導入による肝細胞への分化誘導を試みる研究を行った。脂肪組織由来間質細胞は、C57Bl/6J♂の鼡けい部脂肪組織より間葉系間質細胞を酵素処理にて分離、継代、培養し獲得した。CMVプロモーター下にGFPタグ付HNF4aあるいはHNF1bを発現するプラスミド(pCMV6-HNF4a-GFP, pCMV6-HNF1b-GFP、OriGene)を、Nucleofector~TM 2b (Lonza)を用いてエレクトロポレーション法にて導入を行った。継代8代の脂肪組織由来間質細胞に対して5 microgramのpCMV6-HNF4a-GFP、pCMV6-HNF1b-GFPプラスミドをエレクトロポレーション法にて導入を試みたところ、細胞生存率はそれぞれ16.0%、19.4%であった。遺伝子導入後3日目においてFACSにて評価したところ、16.5%、17.4%の細胞がGFP陽性であった。導入後15日目において細胞を回収、RNAを精製し、リアルタイムPCRにて遺伝子発現解析を行った。コントロール細胞として、マウス肝細胞株H2.35、マウス肝細胞癌株Hepa1-6を用いた。H2.35およびHepa1-6のHNF4a発現は、relative ratio to GAPDHでそれぞれ0.00065、0.00745であった。HNF4aの発現pCMV6-HNF4a-GFPを導入した細胞では、H2.35よりも高いrelative ratio to GAPDH = 0.00148のHNF4aの発現を認めた。しかしながらAlbumin発現は見られなかった。pCMV6-HNF1b-GFPを導入した細胞については、HNF1bの発現、Albuminの発現双方認められなかった。脂肪組織由来間質細胞への遺伝子導入による肝細胞分化には、改良が必要であることが明らかとなった。
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