研究課題/領域番号 |
23590978
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山崎 隆弘 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (00304478)
|
研究分担者 |
山本 直樹 山口大学, 大学教育機構, 講師 (90448283)
寺井 崇二 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00332809)
坂井田 功 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80263763)
|
キーワード | 鉄キレート剤 / Deferasirox / Sorafenib / 肝細胞癌 / Deferoxamine / DEN肝発癌モデル / CDAAモデル |
研究概要 |
CDAA(Choline-deficient L-amino acid-defined diet:コリン欠乏食)での肝線維化・発癌ラットモデルでDeferasirox投与群とSorafenib投与群(通常量,半量), Deferasirox+ Sorafenib投与群、コントロール(非投与群)の肝臓を摘出し解析したところ、Azan,SiriusRed染色で単剤群よりも併用群の方が線維化抑制効果を認め、Sorafenibの様々な副作用もDeferasiroxとの併用により抑制していた。また酸化ストレスマーカーである4HNE、8OHdGの解析でも併用群の方が有意に抑制していた。また組織DNAarrayでは、Deferasirox単剤投与でも細胞周期関連遺伝子や細胞増殖関連遺伝子・酸化ストレス関連遺伝子の発現を抑制していた。 またDiethylnitrosamine(DEN)肝発癌マウスモデルにDEN投与後5ヶ月後よりDeferasirox投与群とSorafenib投与群(通常量,半量), Deferasirox+ Sorafenib投与群、コントロール(非投与群)を開始し、DEN投与後8ヶ月後に肝臓摘出し評価したところ、肝発癌に関して、Deferasirox投与群、Sorafenib投与群は有意に抑制していたが、Deferasirox+ Sorafenib併用投与群もコントロールに比べ有意に抑制していた。今後もさらに解析しDeferasirox、Sorafenib、 Deferasirox+ Sorafenib併用によるメカニズム解析を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Deferasirox投与群、Sorafenib投与群(通常量,半量)による肝腫瘍抑制効果を認めることができ、Deferasirox+ Sorafenib併用においても肝腫瘍抑制効果をマウス・ラットによる動物実験で明らかにすることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
CDAA(Choline-deficient L-amino acid-defined diet:コリン欠乏食)での肝線維化・発癌ラットモデルとDiethylnitrosamine(DEN)肝発癌マウスモデルの肝組織を利用して、 Deferasirox投与群、Sorafenib投与群、Deferasirox+ Sorafenib併用群での肝腫瘍抑制効果の違いを解析していく。また代謝機能・栄養面でどのように薬剤が関わっているかを小動物用代謝測定システム等で解析していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
【物品費】本年度の実験内容に変更はなかったが、ラットならびにマウスの動物実験モデル購入費は、大学内での助成金より購入したため、未使用額が生じた。この未使用額については、平成25年度の動物モデルならびに実験試薬の購入に充てる。 【旅費】本年に参加予定していたAPASL学会の日程変更のため、旅費、参加費についての未使用が生じた。この未使用額については平成25年度の学会への旅費、参加費と併せて使用する。
|