研究課題/領域番号 |
23590979
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小野 正文 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (70304681)
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研究分担者 |
西原 利治 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (60145125)
越智 経浩 高知大学, 医学部附属病院, その他 (30617840)
宗景 玄祐 高知大学, 医学部附属病院, その他 (60617843)
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キーワード | NASH / Kupffer細胞 / サイトカイン / 貪食 |
研究概要 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症病態におけるKupffer細胞のサイトカイン過剰分泌と貪食能低下状態の存在が病態形成に重要であるが、Kupffer細胞の膨化と分化、増殖のメカニズム、さらにはNASH発症との関連については明らかになっていなかった。 NASH肝においては、正常肝と比べ炎症性サイトカイン分泌能を有するCD11b+Kupffer細胞が増加する一方、貪食能、ROS産生能を有するCD68+ Kupffer細胞が減少することにより貪食能が低下することが明らかとなった。また、そのCD11b+ Kupffer細胞上にはToll Like receptor-9 (TLR-9)やTLR-4などが特異的に増加していることが確認された。近年注目されている口腔内および腸内細菌由来のLPS等に対するTLR-9やTLR-4を介したKupffer細胞の過剰な反応と、それに引き続くサイトカインの過剰分泌によるNASH発症の病態に繋がる重要な結果を示唆するものと考える。 さらにKupffer細胞の肝小葉内での分布が、NASH肝では、肝小葉全体、特に中心静脈周辺にも分布するように変化することが明らかとなった。 このように、NASH肝ではKupffer細胞のサブセットの変化と肝小葉内での分布の変化がNASHの病態に重要な関わりがあることが明らかとなり、国内外の学会および論文にて報告を行った。今後も引き続きNASH発症病態におけるKupffer細胞の機能異常について研究を継続予定である。
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