組み込みＨＢＶをターゲットとした肝癌細胞増殖制御

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23590984
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 消化器内科学
• 研究機関: 京都府立医科大学
• 研究代表者: 南 祐仁 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60326220)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 肝癌 / B型肝炎ウイルス

研究概要

B型肝炎ウイルス（HBV）は肝癌細胞において宿主のDNAに組み込まれることが知られていた．我々は，HBV組み込みが，慢性肝炎の組織にすでに存在していることを明らかにした．これらの組み込みの中には，宿主遺伝子のの読み取り枠の途中に存在し，その遺伝子の発現に大きな影響を与えることが示唆された．また，HBV組み込みは3番染色体や染色体脆弱部位（common fragile sites）に統計学的に有意に存在することを明らかにした．これにより，HBV組み込みがランダムなイベントではないこと，肝発癌に先行する慢性肝炎の時期より宿主遺伝子に変異を来たし，細胞の存続や癌化に関連することが示唆された．

研究成果

• [雑誌論文] Efficacy and safety of sorafenib in very elderly patients aged 80 years and older with advanced hepatocellular carcinoma (2014)
  • 著者名/発表者名: Jo M, Yasui K, Kirishima T, Shima T, Niimi T, Katayama T, Mori T, Funaki J, Sumida Y, Fujii H, Takami S, Kimura H, Mitsumoto Y, Minami M, Yamaguchi K, Yoshinami N, Mizuno M, Sendo R, Tanaka S, Shintani H, Kagawa K, Okanoue T, Itoh Y
  • 雑誌名: Hepatol Res 巻: (Epub ahead of print)
  • DOI: 10.1111/hepr.12308
  • 査読あり
• [雑誌論文] Factors associated with the overall survival of elderly patients with hepatocellular carcinoma (2012)
  • 著者名/発表者名: Fujii H, Itoh Y, Ohnishi N, Sakamoto M, Ohkawara T, Sawa Y, Nishida K, Ohkawara Y, Yamaguchi K, Minami M, Okanoue T
  • 雑誌名: World J Gastroenterol 巻: 18(16) ページ: 1926-32
  • DOI: 10.3748/wjg.v18.i16.1926
  • 査読あり
• [雑誌論文] 抗HBV薬II.抗ウイルス薬の特性と適応・使い分け抗肝炎ウイルス薬,インターフェロン製剤 (2012)
  • 著者名/発表者名: 南祐仁
  • 雑誌名: 日本臨牀 巻: 70(4) ページ: 609-613
• [雑誌論文] HBV感染症の自然史III血液感染するウイルス肝炎1.B型肝炎 (2012)
  • 著者名/発表者名: 南祐仁,岡上武
  • 雑誌名: 化学療法の領域 巻: 28(S-1) ページ: 146-150
• [雑誌論文] High expression of p300 in HCC predicts shortened overall survival in association with enhanced epithelial mesenchymal transition of HCC cells (2011)
  • 著者名/発表者名: Yokomizo C, Yamaguchi K, Itoh Y, Nishimura T, Umemura A, Minami M, Yasui K, Mitsuyoshi H, Fujii H, Tochiki N, Nakajima T, Okanoue T, Yoshikawa T
  • 雑誌名: Cancer Lett 巻: 310(2)(Epub 2011 Jul 1) ページ: 140-7
  • DOI: 10.1016/j.canlet.2011.06.030
  • 査読あり
• [雑誌論文] Oxidative stress is closely associated with tumor angiogenesis of hepatocellular carcinoma (2011)
  • 著者名/発表者名: Jo M, Nishikawa T, Nakajima T, Okada Y, Yamaguchi K, Mitsuyoshi H, Yasui K, Minami M, Iwai M, Kagawa K, Itoh Y, Yoshikawa T
  • 雑誌名: J Gastroenterol 巻: 46(6)(Epub 2011 Mar 31) ページ: 809-21
  • DOI: 10.1007/s00535-011-0392-z
  • 査読あり
• [雑誌論文] B型肝炎に対する核酸アナログ療法の現況と今後の展開 (2011)
  • 著者名/発表者名: 南祐仁
  • 雑誌名: 綜合臨床 巻: 60(1) ページ: 87-93
• [雑誌論文] Sequential therapyのエビデンスウイルス肝炎診療の変貌:近づく疾患克服 (2011)
  • 著者名/発表者名: 南祐仁,岡上武
  • 雑誌名: 肝胆膵 巻: 62(2) ページ: 259-264
• [雑誌論文] インターフェロン少量維持投与good or not?ウイルス肝炎診療の変貌:近づく疾患克服 (2011)
  • 著者名/発表者名: 片山貴之,南祐仁,吉川敏一
  • 雑誌名: 肝胆膵 巻: 62(2) ページ: 291-296
• [雑誌論文] B型慢性肝炎に対する治療学の進歩と展望 (2011)
  • 著者名/発表者名: 南祐仁,岡上武
  • 雑誌名: 日本臨牀 巻: 69(4) ページ: 737-741
• [雑誌論文] B型慢性肝炎に対する治療学の進歩と展望.III.B型肝炎B型肝炎に対する治療学の進歩 (2011)
  • 著者名/発表者名: 岡上武,南祐仁
  • 雑誌名: 日本臨牀 巻: 69(suppl.4) ページ: 469-474
• [雑誌論文] 核酸アナログとインターフェロンの併用療法 (2011)
  • 著者名/発表者名: 南祐仁
  • 雑誌名: 消化器内科 巻: 53(3) ページ: 316-320
• [図書] 肝臓専門医テキスト (2013)
  • 著者名/発表者名: 飯島尋子,南祐仁,他,共著(日本肝臓学会,編)
  • 出版者: 南江堂,東京
• [図書] 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013 (2013)
  • 著者名/発表者名: 竹原徹郎,田中榮司,南祐仁,持田智,森脇久隆,四柳宏,共著(日本肝臓学会,編)
  • 出版者: 文光堂,東京
• [図書] B型慢性肝炎の治療戦略第2章慢性肝炎の治療.消化器BOOK04これでわかる!慢性肝炎の治療戦略肝癌を防ぐためのマネジメント (2011)
  • 著者名/発表者名: 岡上武,南祐仁(井廻道夫,企画)
  • 総ページ数: 51-55
  • 出版者: 羊土社,東京