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2011 年度 実施状況報告書

エンドトキシン・自然免疫系を介する腸肝相の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23590987
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

福井 博  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80145838)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード自然免疫 / Toll-like受容体 / 非アルコール性脂肪肝炎 / TNF-α / エンドトキシン
研究概要

CDAA食8週間投与非アルコール性脂肪肝炎ラットを用いて自然免疫系の腸肝相関をまず検討した。NASHラットではコントロール(CSAA食8週間投与)ラットに比して血清ALT値の上昇、門脈血中および全肝TNF-α、IFN-γレベルの上昇、シリウスレッド染色での強い肝線維化、肝TNF-α免疫染色性の増強、real-time PCR法にて全肝TNF-α、TLR4 mRNAの発現が認められた。コラゲナーゼ灌流肝からPercoll比重遠心分離法でKupffer細胞を採取し、Kupffer細胞の単離培養を行ったところ、NASHラットではコントロールラットに比し、上清中のTNF-α濃度の上昇が認められた。さらに小腸(終末回腸)組織の免疫染色において、NASHラットではコントロールラットに比し、粘膜下組織を中心にTNF-α、Toll-like receptor 4 (TLR4)およびmacrophage/dendritic細胞の染色性の増強が認められ、本NASHモデルではTLR4を介する自然免疫系の増強が肝と小腸の双方に認められ、TNF-α産生亢進と肝病変の進展に関わっている可能性がある。これらの成績からNASHモデルにおける腸管相関の一端が明らかになったと考える。さらに臨床研究では腸管内除菌が必要になった非代償期肝硬変を対象にラクツロース、カナマイシンを用いる除菌の前後において血中エンドトキシン(Et)濃度をEAA法で測定し、非代償期肝硬変において血中Etの上昇を確認している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の内容を論文化して出版したのでおおむね順調に進展しているが、血中エンドトキシン測定の標準化に手間取り、エンドトキシンと腸管相関の関係について踏み込めていないため。

今後の研究の推進方策

まず、合成基質法によりラット門脈血および静脈血中のEt濃度の測定法を確立する。引き続き、門脈血中Etは静脈血中ETより高値であるか、NASHモデルにおいて血中Etは上昇しているかについてまず検討を行う。治療実験としては抗菌薬による腸管内除菌および最初に予定したサイトカイン産生調整薬Y-40138 の効果を上記のモデルで検討し、腸肝のTLR4動態、肝障害の進展度を検討する。次にラット灌流肝から肝星細胞の単離を試み、初代肝星細胞培養系での標識Etの動態、培養上清中のサイトカイン濃度などの測定を試みる。

次年度の研究費の使用計画

昨年度と同様、動物(ラット)、サイトカイン測定試薬、Et測定試薬、免疫染色試薬などの消耗品に研究費を使用する。さらに標識Et(Alexa Fluor、FITC-Et)の購入資金にも充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Innate immune reactivity of the ileum-liver axis in nonalcoholic steatohepatitis2012

    • 著者名/発表者名
      Tsujimoto T. Kawaratani H. Kitazawa T. Uemura M. Fukui H.
    • 雑誌名

      Dig Dis Sci

      巻: 57 ページ: 1144-51

    • DOI

      10.1007/s10620-012-2073-z

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10   更新日: 2013-09-11  

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