研究課題
オートファジー機能障害による核膜蛋白発現変化と発現蛋白シークエンサーによる発現蛋白同定今までの解析によりオートファジー欠損によって発現の増強する核膜蛋白としてSWI/SNF-related matrix-associated actin-dependent regulator of chromatin subfamily A member 5(SMARCA5)やprohibin-2が同定され、肝脂肪化では肝細胞核膜蛋白はDnaJ homolog subfamily C member 9 proteinが発現増加していた。肥満モデルでもオートファジー機能が抑制されているためオートファジー欠損マウスと同様に発現増加する蛋白が抽出されるはずであったが検出されなかったため、今年度は核膜蛋白の抽出方法を変更し蛋白解析を行った。コントロールマウスと肝細胞特異的オートファジー欠損マウス(Atg7 F/F:Alb-Creマウス)と肥満モデルマウスにて核膜蛋白を抽出し2次元電気泳動を行い、オートファジー欠損と肝脂肪化によって発現の増加する核膜蛋白として20種類の候補蛋白が抽出された。これらの蛋白に対する抗体を用いて免疫組織染色を行い蛋白の発現分布を確認し、オートファジー抑制によって変化する核膜蛋白を同定している。臨床検体を用いたオートファジー機能障害と臨床疾患の解析非アルコール性脂肪性肝疾患、B型肝炎、C型肝炎、原発性胆汁性肝硬変患者の肝生検組織のオートファジー機能障害を調べるために電子顕微鏡観察によるオートファジー発現評価とp62蛋白発現の解析を行った。脂肪肝ではオートファジー発現亢進は認めるもののp62蛋白蓄積が観察され、オートファジー蛋白分解能の障害が示唆された。以上のことからオートファジー機能障害を評価するマーカーの検出は脂肪性肝疾患の病態評価において有用である可能性が示唆された。
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Hepatology Research
巻: 未定 ページ: 未定
10.1111/hepr.12282