[研究の目的]<人工型エクソソームの作成:単離> エクソソーム単離方法の確立とエクソソームの産生細胞の選定を行い、検討を行った結果から遠心法による単離精製が効果率良くエキソソームを得ることと結論した。エキソソームの産生細胞は細胞由来の増悪ファクターの影響を持つエクソソームが単離される可能性を考慮して、ヒト正常細胞株であるHEK293細胞を使用する結果に至った。 <人工型エクソソームの作成:加工> 人工型エクソソームの作成には単離したエクソソームの膜表面に標的細胞と特異的に結合する分子を存在させなければならない。HCVの感染細胞で特異的に発現する分子を考慮し、エクソソームの加工法を検討した。先ず、一般的な上皮細胞を標的とする場合、エクソソームに分子を発現させることが可能かどうか検討するために、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)と親和性の高いEGFをエクソソーム膜表面に発現させることが出来るか検討した。エクソソームは細胞膜の一部から構成されていると言うことが出来る。従って、エクソソーム産生細胞膜にEGFを発現させることで、エクソソームにもEGFを発現させることが可能となる。HEK293細胞にEGFを発現させ、クローニング後の細胞上清からエキソソームを単離し、EGFの発現を確認したところ、EGFを膜に持つエクソソームを作成する事に成功した。
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