研究課題
全国から新たに500例以上のPBC症例を集積して、患者の臨床情報、血清の自己抗体 プロフィル(抗ミトコンドリア抗体、抗gp210抗体, 抗セントロメア抗体、抗SS-A抗体、抗sp100抗体)、新たな血清マーカー(Baff, April, cytokeratin など)、遺伝子多型(HLA-DRB1, CTLA-4, MDR3 etc)などの情報を含むPBC患者データベースを構築した。 既に昨年度までの研究で集積しているPBC 700 症例も同様の形式でデータベースを完成し、合計1200名のPBC患者検体を用いて網羅的遺伝子解析を解析した。 現在までに500症例をdiscovery panel、残りの症例を700症例をreplication panel に振り分けて、まず500症例と健常人コントロール500症例のGWASを施行した。discovery panelで有意となった上位40 SNPs を選択し、replication panelの症例を用いてDig-Tag2法にてreplication studyを行った。Replication studyで有意なSNPについては、その候補遺伝子領域に特異的なプライマーを設計し、haplotype block毎にSNPを解析し、最も有意となるSNPを同定した。以上の研究から、新たなPBC疾患感受性遺伝子を2個同定することができた(AJHG in press, 2012)
2: おおむね順調に進展している
症例登録、遺伝子解析はほぼ予定通りに順調に進んでおり、達成率は90%を越えている。
同定した新規疾患感受性遺伝子の肝生検組織のmRNAの発現やin vitroの発現実験からSNPの機能解析を行う。 また、日本人PBCの進行や自己抗体産生(抗gp210抗体, 抗セントロメア抗体)に関わる遺伝要因を明らかとするために、新たにPBC700症例のGWASを行い、total 1200症例の層別化解析を行う。 HLA-A, HLA-B, HLA-DRB1, HLA-DPA1,HLA-DPB1の遺伝子型を全症例においてPCR-SBT法を用いて決定し、HLA遺伝子多型とPBCの発症、進行(非進行、門脈圧亢進症型進行、肝不全型進行)、自己抗体産生(抗ミトコンドリア抗体、抗gp210抗体、抗セントロメア抗体、抗SS-A抗体、抗sp100抗体)との関連を解析する。
研究費の大半は、GWASのためのキット、DNAの抽出、遺伝子増幅に必要な試薬の購入にあてる。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (7件)
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