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2011 年度 実施状況報告書

膵嚢胞性腫瘍の病態予測における包括的ゲノム解析の応用

研究課題

研究課題/領域番号 23591010
研究機関東京大学

研究代表者

多田 稔  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80302719)

研究分担者 立石 敬介  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20396948)
毛利 大  東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (20582513)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードIPMN
研究概要

膵嚢胞性疾患であるIPMNには組織亜型が存在し、それぞれ悪性度及び発がん形態に違いがある。よって亜型を鑑別する遺伝子マーカーの確立は膵嚢胞性発がんの予防・早期発見に有用な情報をもたらす。本研究では膵がん細胞の包括的ゲノム解析により見出した染色体異常・コピーナンバー異常をIPMNにも応用する。癌細胞のゲノムでは、特定の遺伝子領域で増幅や欠失が起こることが知られている。近年、大規模SNPタイピングを目的として開発された高密度オリゴヌクレオチドアレイが、染色体コピー数変化およびLOHを同時に解析できるということがわかった。そこで、当研究室ではこのアレイを用いて膵癌細胞株25種類のゲノム異常の網羅的解析を行ってきた。本研究ではLaser Micro Dissection Systemを活用し、gastric typeとintestinal type などのIPMNの組織亜型に特有に関連する遺伝増幅および欠失、LOHの有無について明らかにする。これまで、25例のIPMNについてKras, Braf, PIK3CAの変異と、p16, smad4の欠失、p53蓄積などについて検討を行ってきた。Kras変異はgastric-typeに多く、PIK3CA変異がintestinalの一例のみに認められた。その他の分子の異常については亜型によって有意に差を認められなかった。ただしsmad1/5/8のリン酸化がintestinal-typeで有意に認められる知見を得ている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記のように、IPMN症例25例につき、Laser microdissectionを行い、DNAを抽出しえている。IPMNにて手術が行われた症例に対し、倫理委員会ですでに承認の得られている同意説明文書にて十分に説明し、文書同意を得た後、血清、膵液、IPMN部・非癌部の組織、さらに存在すれば癌部の組織を取得してきた。これらの患者の臨床情報については個人情報保護を遵守しつつ詳細な情報を記録するデータベースを構築してきた。

今後の研究の推進方策

これまでに膵がんでの検討から得られた遺伝子領域増幅および欠失についての解析データを、IPMNの組織所見と対比させ関連性について検討する。この際にはIPMN間での検討にとどまらず、がん合併例については癌部のプロファイルとIPMN部とのプロファイルを比較することで、がんの由来がIPMNなのかあるいはde novoであるのかについても評価しうると考えている。

次年度の研究費の使用計画

高密度オリゴヌクレオチドアレイおよび定量的PCRなどによるDNAコピーナンバー解析を目的とした試薬購入を中心に使用する。

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公開日: 2013-07-10  

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