研究課題
大腸腫瘍の内視鏡切開剥離術(ESD)は食道や胃と比べ、内視鏡操作が困難、腸管壁が菲薄、汚物や腸内細菌の存在などにより難易度が高く、合併症の多い手技とされている。これらの問題を解決すべく術中合併症の予防および剥離操作を容易にさせるためにtraction deviceである”S-O Clip”および術後潰瘍を容易に縫縮させる”Loop Clip”を開発し実臨床で用いた。”S-O Clip”は術中操作性の向上に、”Loop Clip”は術後合併症の減少および術後潰瘍の修復にどれだけ貢献するか有用性を評価し大腸ESDを安全かつ容易に施行できるか検討した。また大腸ESD後に生じる発熱と菌血症に関する検討も行った。大腸ESD後の発熱は約40%の症例に認めたが、血液培養および細菌のDNA検索を行うも明らかな菌血症を示す菌種は同定できず、ESD後の潰瘍面からの腸内細菌を含めた逆行性感染が発熱の原因とは考えにくいことが明らかとなった。大腸腫瘍の内視鏡切開剥離術におけるS-O Clipの有用性を解明するためランダム化比較試験を行った。S-O Clipを用いることにより、高い一括切除率を得ると同時に、有意に切除時間が短縮できることが明らかとなった。大腸ESD後に生じる粘膜損傷を内視鏡クリップを用い完全縫縮すると術後1週間では内視鏡クリップは創部に残存しており、50㎜以下の症例では4週間でほぼ完全に修復することが明らかとなった。
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