研究課題/領域番号 |
23591024
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
榊原 守 北海道大学, 大学病院, 助教 (90349366)
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研究分担者 |
筒井 裕之 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70264017)
絹川 真太郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60399871)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 慢性心不全 / 陽圧呼吸療法 / ASV / PET / 交感神経活性 |
研究概要 |
慢性心不全治療の一つとして、現在注目されている夜間の呼吸を安定化させることができる呼吸補助装置であるASV(Adaptive Servo-Ventilation:順応性自己調節性人工換気療法)療法の効果の判定に交感神経活性の評価が重要である。2010年秋より、本邦で初めて使用可能になった交感神経活性の評価に有用な核医学検査の一つであるHED(11C-Hydroxyephedrine)- PETを利用して、ASV療法施行前、9週間後の交感神経活性評価を行い、慢性心不全に対するASVの有用性を検討した研究をおこなっている。現在、6名の方が、研究に同意いただき、HED-PETをASV施行前の検査を行った。3名の患者さまがASV施行9週間後に行い、交感神経活性の指標となるRetention indexが改善傾向を認めているが症例数が少ないために、統計学的な評価はできていない段階である。しかし、本研究の先行研究である、ASVの急性効果の検討において、スワンガンズカテーテル検査での血行動態の評価において、肺動脈楔入圧高値ならびに僧帽弁閉鎖不全症を有する重症心不全が最もASVにより1回拍出量の増加をもたらすことを証明できていることを日本循環器学会で発表し、現在、論文投稿中である。この先行研究結果も慢性期の交感神経活性にも大きく影響を与える根拠の一つになることが期待されており、現在施行している研究の結果によりASV療法が慢性心不全患者に広く使用されることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予想より、研究対象患者が少なく、研究の進行に難渋しているが、研究方法のシステム化は確立しており、また、協力メンバーの統制の統制もできているため、積極的に今後も対象患者を集め、本年度15名以上のASV施行患者の評価を行う予定である。現在の、登録してくださった6名の患者さまは、いずれも研究を続行してくださっており、研究としては円滑に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の対象患者は入院患者のため、病棟医に研究の概要をお話し、積極的に協力いただけるよう依頼している。それにより、本年度の症例数を増加させ、統計学的な解析を推進していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
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