研究課題
慢性心不全治療の一つとして、現在注目されている夜間の呼吸を安定化させることができる呼吸補助装置であるASV(Adaptive Servo-Ventilation:順応性自己調節性人工換気療法)療法の効果の判定に交感神経活性の評価が重要である。2010年秋より、本邦で初めて使用可能になった交感神経活性の評価に有用な核医学検査の一つであるHED(11C-Hydroxyephedrine)- PETを利用して、ASV療法施行前、9週間後の交感神経活性評価を行い、慢性心不全に対するASVの有用性を検討した研究をおこなっている。現在、12名の方が、研究に同意いただき、HED-PETをASV施行前の検査を行った。9名の患者さまがASV施行6か月後に行い、前後の比較にて、心機能や血行動態の指標であるLVEFやBNPの改善はもちろんのこと、HED-PETを利用した交感神経活性の指標となるRetention indexが有意な改善を認めた(0.068 ± 0.040→0.090 ± 0.055 P=0.04)。昨年2014年3月29日には、その結果をAmerican College of Cardiology2014(場所:ワシントンDC、米国)にて発表し、多くの先生方よりご質問、反響をいただいた。さらには、この分野のエクスパートの先生方と交流を交わすことができ、現在も、研究に関するアドバイスをいただいている。本年はこの結果をもとに、英文論文による執筆を行い、世界に発信し、貢献していく予定である。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Ann Nucl Med
巻: 28 ページ: 187-196
10.1007/s12149-013-0795-4