研究課題
平成27年度は下記の点で成果をあげた。肥大型心筋症の病因遺伝子解析では、約240名の本症患者のDNAサンプルを取得し、現在7つ(昨年度まで解析を行ってきた6つのサルコメア遺伝子に加えてPRKAG2遺伝子も解析開始)の遺伝子について変異のスクリーニングを行っている。平成27年度も新規の変異が同定され、遺伝子型と臨床病型との関連性について今度の検討に使用していく予定である。また、心筋ミオシン結合蛋白C遺伝子変異を有する複数家系を対象に遺伝子変異以外の病態修飾因子として性差に着目した。女性患者では男性に比べると発症年齢が遅いが、診断時の心不全症状はより重症であり、心不全イベントも女性で有意に多いことが分かった。今後は、さらに病態を修飾する因子の同定に取り組む予定である。肥大型心筋症の臨床病型についての検討では、高感度心筋トロポニンTは、肥大型心筋症と肥大型心筋症類似の左室肥大疾患との鑑別に有用な情報となり得ることについて世界にさきがけて報告し、今後の臨床応用が期待される。また、赤血球内クレアチンが閉塞性肥大型心筋症で生じる血管内溶血を高感度に検出し血行動態評価に有用であることが明らかとなった。従来は、心臓超音波を用いて左室流出路圧較差の病態を評価していたが、血液マーカーでも評価できる可能性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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