研究概要 |
本研究により、心外膜下、皮下、内臓脂肪組織は、心筋細胞の脂肪滴沈着、アポトーシスを促進し、増殖、構造・機能分化を抑制することが明らかとなった。即ち、上記3種類の脂肪組織は、心筋細胞に脂肪毒性を誘導する。この結果は、肥満者が心不全を発症しやすいという臨床データを支持するものである。本研究により、心筋細胞の脂肪毒性には、パルミチン酸、脂肪酸輸送分子(FATP-4, CD36)、酸化ストレス分子(8-OHdG, 4-HNE)が部分的に関与していることが示唆された。また、心筋細胞は、脂肪組織の再生、心筋細胞毒性因子であるレプチンの産生を抑制し、脂肪組織の脂肪毒性作用を防御していることが示唆された。
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