進行した歯周病を有する人では歯周病菌あるいは歯周病菌が出す毒素が時に歯肉内の血液循環に入り込んでおり、血流により全身へ運ばれた歯周病菌や毒素が動脈局所に作用して動脈硬化巣の形成を促進する。本研究では歯周病菌の動脈硬化プラーク形成への関与を検討した。歯周病菌の動脈から検出の検討において、顔面動脈から3種類の歯周病菌を検出した。それらの歯周病菌に対する抗体価の血中濃度が歯周病の重症度と相関していた。また、血中抗体価の上昇は全身の炎症反応とも関連していた。さらに歯周病抗体価は患者の血圧とも関連していることがわかった。これらのことは動脈硬化および虚血性心疾患と歯周病との関連性を裏付けることになる。
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