研究課題
Toll様受容体Toll-like receptor (TLR)などの認識受容体の細胞表面上の発現を増強することにより、病変局所の炎症および血小板との相互作用(P-selectinとその受容体であるP-seectin glycoprotein ligand-1 (PSGL-1))により、血栓形成を促進する。また、冠動脈内を観察する血管内光干渉断層法(optical coherence tomography; OCT)が臨床応用され、ACSの責任病変におけるプラーク破裂や冠動脈内血栓などの同定が可能となった。本研究ではACSにおける末梢血および責任冠動脈血の単球上のPSGL-1の発現と冠動脈内血栓の関係についてOCTを用いて検討した。急性心筋梗塞(AMI)25症例、不安定狭心症(UAP)20症例、安定狭心症(SAP)35症例、コントロール20症例の計100症例を対象とした。入院時に末梢血を採取し、AMI症例ではカテーテルインターベンション施行時に血栓吸引カテーテルを用いて責任冠動脈内血を採取し,単球上のPSGL-1の発現を測定した。カテーテルインターベンション治療の施行前にOCTイメージングを施行、責任病変のプラーク破裂、冠動脈内血栓の有無を評価した。結果を示す。単球をCD14+CD16+, CD14++CD16+, CD14++CD16-の3つのサブセットに分類して検討した結果、CD14++CD16+単球上のPSGL-1の発現頻度はAMIにおいてUAP, SAP, コントロール群と比較して有意に上昇していた。さらにAMIにおいてCD14++CD16+単球上のPSGL-1の発現は責任冠動脈内血で末梢血と比較して有意な上昇がみられた。以上より単球上のPSGL-1のup-regulationがプラーク破裂後の冠動脈内血栓形成に重要な役割を担っていることが示唆された。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)
Nutrition, Metabolism Cardiovascular Dis
巻: 24 ページ: 309-314
Atherosclerosis
巻: 233 ページ: 697-703
10.1016/j.atherosclerosis
Int Heart J
巻: 55 ページ: 17-21
Curr Pharm Des
巻: 19 ページ: 1616-1625
Curr Top Med Chem
巻: 13 ページ: 1589-1595
Circ J
巻: 25 ページ: 170-179