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2011 年度 実施状況報告書

我が国における冠動脈疾患の治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23591063
研究機関順天堂大学

研究代表者

宮内 克己  順天堂大学, 医学部, 准教授 (60200119)

研究分担者 代田 浩之  順天堂大学, 医学部, 教授 (40197596)
天野 篤  順天堂大学, 医学部, 教授 (70338440)
稲葉 博隆  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10511454)
桑木 賢次  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90398313)
山本 平  順天堂大学, 医学部, 准教授 (70301504)
諏訪 哲  順天堂大学, 医学部, 准教授 (90226613)
岡崎 真也  順天堂大学, 医学部, 准教授 (80317396)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2016-03-31
キーワード冠動脈疾患 / 冠インターベンション / バイパス手術 / 長期予後 / データベース
研究概要

日本人の冠動脈疾患の治療戦略として内科治療、カテーテル治療(PCI)および冠動脈バイパス治療(CABG)のそれぞれの長期予後および治療別の予後は確立することにある。まず当院でのPCI集団の予後調査を実施した。調査は順調にすすんでいるが、結果がでた集団ごとに学会報告を行っている。急性冠症候群かつ非糖尿病集団の予後をアンケート、外来カルテ、電話にて予後調査が完結したので本年の日本循環器学会年次集会(福岡)で報告した。急性冠症候群の急性期PCIに成功した集団で457名を対象とし、平均年齢62.4歳、追跡期間は平均11.5年であった。入院時のHbA1cと血糖で3分割し、その予後を追跡した。1年後の死亡率は入院時血糖が高い群で有意に死亡率が高いが、HbA1cでは差がない。また1年を超過する予後は逆にHbA1cが高い群(17.4% vs 9.0% vs 7.6%, 0<0.01)で不良であるが、血糖高値でも予後に差は認めなかった。急性冠症候群患者の非糖尿病患者においてもHbA1c高値は予後不良の予測因子となった。死亡原因は心血管死に差は認めないが、悪性腫瘍や感染などの非心血管死以外の死亡が高HbA1c群で有意に増加した。以上の結果から非糖尿病のACS患者において入院時HbA1cは長期予後と関連しており、非糖尿病患者でも入院時HbA1cが高い場合は、血糖管理が必要であることを示唆している。この発表は現在論文出筆中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回の研究は日本人の冠動脈疾患の治療戦略として内科治療、カテーテル治療(PCI)および冠動脈バイパス治療(CABG)のそれぞれの長期予後および治療別の予後を調査することにある。血行再建術後(冠インターベンション、バイパス手術)と内科治療の観察中の心血管事故(心臓死、冠動脈疾患、脳血管疾患)の全発症率を前向き、後ろ向きの双方で予後調査を開始した。今回の調査は2つに大別され、1)後向きコホートと2)前向きコホートであり、後ろ向きコホートは順天堂大学順天堂医院、静岡病院で行い、前向きコホートはこれに浦安病院、練馬病院、東京江東高齢者医療センターの5附属病院で施行する。1)後向きコホートの予後調査は順天堂大学順天堂医院と静岡病院で、内科・外科それぞれ調査中であり、一部の集団の予後は完結し、学会報告を行った。PCIとCABG症例は現在、アンケート調査とカルテ調査で80%が終了し、残り20%について電話連絡等で追跡率を高める予定である。内科治療群は現在リスト・アップが終了し、カルテベースでの調査が進行中である。2)前向きコホート:2010年以降に施行される順天堂大学付属病院全施設での血行再建症例の前向き予後調査については、既にデータベースは完成した。日本心血管インターベンション学会のPCIレジストリーとの共通項目も多く、前向きのレジストリーは順調にすすんでいる。本年は各病院を回り、実施状況、特にデータの入力状況をチェックする予定である。ネットワーク構築はセキュリテイ面での安全性が担保できず、現在も検討中である。

今後の研究の推進方策

順天堂医院ではPCI時の基礎データはほぼ入力終了し、予後調査はアンケート調査とカルテベースの調査を終了した。電話の聞き取り調査でこの追跡がどこまで上げられるかが課題である。大学院生や研究看護師の協力を得て残り約500名の予後不明者の調査を行っていく。従来のやり方にそって、本人への直接電話とカルテ記載してある近親者までさかのぼっての調査を行っていく。静岡病院は現在予後のアンケートを発送し、返事を待っているところであり、その回収を待って、人的補充で追跡率を高める予定である。前向き調査はデータベースが完成しており、本年は入力状況を確認することが重要である。順天堂医院と静岡病院はほぼ入力されていることを確認している。他の病院については研究看護師を派遣し、入力の確認と入力の補助によるテコ入れを行う。病院間のネットワーク構築は安全性を充分配慮したシステム作りを今後も引き続き開発してゆく予定である。

次年度の研究費の使用計画

病院間のネットワーク構築はのシステム作りと入力のための人件費に配慮した予算配分とした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Gender-based outcomes among patients with diabetes mellitus after percutaneous coronary intervention in the drug-eluting stent era2011

    • 著者名/発表者名
      荻田学
    • 雑誌名

      International Heart Journal

      巻: 52 ページ: 348-52

    • DOI

      doi:10.1536/ihj.52.348

  • [学会発表] Impact of Admission Glycosylated Hemoglobin on Long-term Mortality in Nondiabetic Patients with Acute Coronary Syndrome2012

    • 著者名/発表者名
      川口裕子
    • 学会等名
      日本循環器学会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡 アリーナ
    • 年月日
      2012 – 317

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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