研究課題/領域番号 |
23591063
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
宮内 克己 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60200119)
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研究分担者 |
代田 浩之 順天堂大学, 医学部, 教授 (40197596)
天野 篤 順天堂大学, 医学部, 教授 (70338440)
稲葉 博隆 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10511454)
桑木 賢次 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90398313)
山本 平 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70301504)
諏訪 哲 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90226613)
岡崎 真也 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80317396)
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キーワード | 冠動脈疾患 / 冠インターベンション / バイパス手術 / 長期予後 / データベース |
研究概要 |
今回の研究は前向きコホートとして当施設および関連施設で冠動脈造影により冠動脈疾患と診断されたすべての症例を前向きに登録し、内科治療、PCI、CABGを受けた症例の背景と治療内容、予後を追跡し、冠動脈疾患の治療効果を明らかにすることにある。順天堂大学循環器内科、心臓血管外科、静岡病院では患者登録は昨年分までは終了、背景と治療内容のデータ入力は順調に進んでいる。また練馬病院、浦安病院もデータ・ベースの構築は終了し、データ入力も開始された。 後ろ向きコホートは1)カテーテル治療コホート、2)バイパス手術コホート、3)内科治療コホートの背景因子と予後を調査することであるが、この集団は順天堂大学本院のみで施行している。2012年3月30日までに順天堂大学循環器内科の予後調査は終了し、現在回収データのクリーニング中である。対象は1997年から2010年までの冠インターベンション治療患者2974人(5725病変)である。既にアンケート・電話による患者の予後追跡は終了、追跡率は96%であった。追跡開始時の患者基礎データとして冠危険因子、血液データ、PCIデバイスなどは100%入力を完了した。また心臓血管外科症例の手術時の基本データ・ベースの入力は終了し、予後調査も完結間際の状態である。現在まで糖尿病患者など一部のデータは固定し、学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前向き・後向きともに患者登録や基礎データの入力は順調に進行している。最も難航することが予想された予後調査は外来カルテ、電話連絡、アンケート調査などを駆使することでPCI、バイパス手術ともに追跡率は95%以上が達成された。ただ当院の集計やデータ入力は順調といえるが、関連病院の集計は思いの他難航している。その理由は各個人のデータは取得しているが、データ・ベースへの入力にヒトと時間が割けないためである。本研究では各病院と当院との間のオンラインによる登録システムを確立することも課題の一つであったが、情報管理上のセキュリテイの担保が難しいことや費用も高額となるため、システム構築は断念した。今後はデータを診療録等から収集し、今回統一したデータ・ベースへの入力の人的テコ入れが必要である。 後ろ向き調査は予後調査に相当な時間と人力を投入したことで、9割以上達成できた。前向きコホートに関しては当院は外科・内科コホートとともに入力は順調に進んでいる。一方、関連病院のデータ・ベース化が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当院における後ろ向きコホートの冠インターベンションとバイパス手術の患者背景と予後についてのデータ収集は順調である、データをクリーン・アップし、固定することが目標である。全データの洗いなおしを行う。その上での予後規定因子やPCIがCABGより優れるのはどのような病型か。内科治療のコントロール目標はどのようなものか。などを解析目標として統計解析計画を施行する。 前向きコホートに関して当院は今の入力ペースを保持することである。一方、関連施設にではデータを診療録等から収集し、統一したデータ・ベースへの入力が大幅に遅れている。その理由は各施設とも入力する人手が不足しているからであり、今後は看護師などを派遣し人的テコ入れを行う必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
後ろ向きコホートは予後比較の現在の注目点や課題が何にあるかなどの今以上の情報収集が必要であり、今年度は積極的に学会活動に専念する。したがって海外を含め学会参加費用を補てんする。また今回のデータ固定後の統計解析が必要なことからソフトを購入する。 関連施設のデータ入力は遅延しており、その入力のために人材を投入するが、そのための人件費が本年度は増やす予定とする。
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