研究課題/領域番号 |
23591064
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
森野 禎浩 岩手医科大学, 医学部, 教授 (90408063)
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研究分担者 |
中澤 学 東海大学, 医学部, 講師 (30564702)
松陰 崇 東海大学, 医学部, 講師 (30445663)
伊苅 裕二 東海大学, 医学部, 教授 (70271567)
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キーワード | 国際研究者交流 |
研究概要 |
研究の目的は、1)3つの国内大規模医師主導臨床試験の有機的解析、2)CTO血管の病理学的検討、3)CTOに特化した治療器具の試作である。当該年度に実施した研究の成果は以下の通りである。 1)に関しては、J-CTOレジストリーの1年次臨床成績、J-CTOスコア(難易度モデル)と中期成績との関連につき論文化し、現在米国論文投稿中である。また、J-CTOレジストリーのフォローアップアンギオを用いた詳細な解析に関し、統計解析を終え論文作成中である。G-FORCE試験は、データのアンギオ定量評価をほぼ終了し、得られたデータから新しい知見を導き出そうとしているところである。本年度は、CTOの最新データ収集を主目的に、日本循環器学会に出席し、その費用を計上した。2)についてであるが、臨床症例を用い、血管内画像の組織定性診断などで別の検討ができないか、という現実的対応策を視野に入れ、CTO血管のPCI時の画像収集を開始した。3)についてであるが、完成した前方視トランスデューサーのカテーテルへの取り付け、カテーテルの細径化などの応用で苦心している。キューサーのエネルギーを用いたCTO血管の破砕装置については、衝撃エネルギーが予想外に強く、血管損傷の恐れがあることが判明した。引き続き、開発企業と検討の上、試作機の開発を進めていきたい。本年度は、臨床データの解析、論文化などが特に順調に進み、CTO治療の意義、問題点に関してエビデンスを提供し得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的は、1)3つの国内大規模医師主導臨床試験の有機的解析、2)CTO血管の病理学的検討、3)CTOに特化した治療器具の試作である。現在までの達成度は以下の通りである。 1)に関しては、J-CTOレジストリー非常に順調にエビデンス構築が進んでいる。1年次の臨床成績の論文、アンギオ解析の論文は既に目処が立ち、難易度の計算モデルであるJ-CTOスコアの遠隔期に及ぼす影響、なども準備が進んでいる。さらにサブ解析を進める予定であり、既にパブリッシュしたものをあわせると、このレジストリー研究から少なくとも5本以上の論文作成の目処が立っている。G-FORCE試験の登録が終わり、アンギオ解析もほぼ終了した。さらに第3の臨床試験を企画していたが、共同研究予定であったスポンサー企業が他社に買収され、予定していたCTOワイヤーの販売が見送られたため、企画が頓挫してしまった。この件は想定外であったが、既に2つの臨床試験が完了しているため、2つの臨床試験の有機的解析を予定しているが、これで十分な検討ができると考えている。 2)に関してであるが、剖検例からCTO血管を同定することが困難であること、剖検例数が想定以上に少ないなどの障害が明らかになり、さらに筆頭研究者の施設異動で、旧施設との共同研究が困難になったことを受け、分担研究者と相談の上、剖検例を用いた病理学的検討を断念することとしたことは昨年度報告した。最近の画像診断学の進歩により、CTO-PCI症例から組織定性診断の手法を利用した代用研究を検討している。 3)は前方視トランスデューサーの試作は既に成功している。画像取得の方法は予想以上に早く進んだ。CTO特価デバイスとしては、前方を掘削するエネルギーとの結合を視野に入れているが、この技術には難航している。この部分は大きなブレークスルーには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
来年度が最終年度である。臨床研究、病理学的研究、器具開発という多岐にわたる野心的な研究計画であった。ある部分は現実に直面し、研究計画を変更せざるを得ないが、全体としては上手く進んでおり、このまま研究を継続する。特に臨床研究からは多くのアウトプットが期待でき、複数試験の横断的解析も進めたい。試作機の開発は一つの課題をクリアしているが、エネルギーの装着には課題を残している。最終的には、仮に画像だけであっても、それを見ながらガイドワイヤー操作をすることが可能となることは、成功率上昇に寄与する画期的な開発であり、将来の臨床応用を視野に入れた現実的な対応をしていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、最新の知見の調査と得られた成果の発表、ミーティングのため国内外への出張費に使用させていただきたい。臨床研究論文の英文校正費、画像検査の保管費用、消耗品等にも研究費を使用予定である。また、開発に協力いただいた研究協力者の矢上弘之氏に対する謝金もルールに則り執行したい。
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