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2012 年度 実施状況報告書

臓器障害進展予測指標としての脈波解析指標の有用性の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23591065
研究機関東京医科大学

研究代表者

冨山 博史  東京医科大学, 医学部, 教授 (90266289)

研究分担者 山科 章  東京医科大学, 医学部, 教授 (60317831)
キーワード中心血圧
研究概要

本申請研究の申請当初の目的は、追跡研究として動脈ステイフネス関連指標(上腕―足首間脈波速度、圧脈波解析によるaugmentation index、中心血圧)のいずれが血清クレアチニンおよびCyatatinCで評価される3年間の軽症腎機能障害進展予測に有用であるかを検討することであった。今回の検討では3年間の経過観察における腎機能障害進展の程度が小さく、上腕―足首間脈波速度、augmentation index、中心血圧のいずれもが腎機能増悪の有意な予測指標とならなかった。
しかし、本追跡集団において、正常血圧症例1229例の3年間の追跡にて127例で高血圧が発症した。そして、観察開始時の中心血圧(高血圧発症予測オッズ比2.3)と血中Cystatin C濃度(高血圧発症予測オッズ比1.5)が個々に独立した高血圧発症の予測指標であることが確認された。すなわち、健診などにおいて、高血圧発症リスクの高い症例を選抜することに中心血圧評価および血中Cystatin C濃度測定が有用であることが確認された。今後、こうした高血圧発症リスクの高い集団への積極的生活習慣改善の指導が必要と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回の検討では3年間の経過観察での腎機能障害進展の程度が小さく、上腕―足首間脈波速度、augmentation index、中心血圧のいずれもが腎機能増悪の有意な指標とならなかった。しかし、中心血圧が3年後の高血圧発症の有意な予測指標であることが確認された。高血圧は腎機能障害増悪進展の重要因子である。ゆえに、本申請研究において、さらに3年の追加観察期間を設け、動脈ステイフネス関連指標の中で、特に中心血圧が6年間の腎機能障害進展の予測指標であることを確認することが重要と考えられた。

今後の研究の推進方策

本申請研究にて得られた成果、すなわち、“観察開始時の中心血圧と血中Cystatin C濃度が個々に独立した高血圧発症の予測指標であること”については論文を作成し、現在、国際高血圧学会学会誌 journal of Hypertensionに投稿中である。また、成果発表として2013年8月の欧州心臓病会議、さらに10月の欧州血管機能学会Arteryでの発表を予定している。

次年度の研究費の使用計画

得られた成果”観察開始時の中心血圧と血中Cystatin C濃度が個々に独立した高血圧発症の予測指標であること”のデータ解析確認、論文作成の経費、および学会での発表の経費を申請する。

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公開日: 2014-07-24  

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