研究課題/領域番号 |
23591069
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
宮坂 陽子 関西医科大学, 医学部, 講師 (10343675)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 左室拡張障害 / 肥満 / 運動療法 / 心エコー |
研究概要 |
【研究目的】肥満と左室拡張能障害は共に将来の心血管系イベントの危険因子になると報告されている。しかし、肥満は高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症などを伴うことが多く、肥満が独立して左室拡張能障害の危険因子になりうるか否かは明らかにされていなかった。我々は近年、高血圧や糖尿病などない健康な者でも、肥満の存在だけで左室拡張能が有意に障害されていることを報告した。しかし、肥満患者が左室拡張能障害をおこす原因としての、脂肪細胞由来因子や血管内皮機能の関与、運動療法による肥満の是正により左室拡張能が改善するか否かは明らかにされていない。本研究は、肥満が独立して左室拡張能障害や血管内皮機能障害に関与するのか否かと、運動療法が及ぼす効果、それにかかわる因子を明らかにすることを目的とする。【研究計画・方法】関西医科大学枚方病院・健康科学センターの肥満外来で、6ヶ月間の運動療法を予定された肥満患者 (BMI 25以上) 200症例を対象とする。研究の同意を得られた対象患者を前向きに登録し、6ヶ月間の積極的介入は運動療法士、栄養士、臨床心理士のチームにより行う。本院の肥満外来は毎月約20例の新規肥満患者に、運動療法が開始されている。ゆえに、200例の患者のリクルートは1年以内 (約10ヶ月)で可能と考える。積極的介入前後に、1) 臨床的基礎データ 2)左室拡張能評価 3) 血管内皮機能評価 4) 脂肪細胞由来因子など血液・尿検査データの項目を収集する。6ヶ月間の積極的介入前後での血液生化学的データ、血管内皮機能検査、左室拡張能などの臨床基礎データを比較検討、肥満と左室拡張障害の関係、運動療法により得られる効果、それにかかわる因子との関連を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、関西医科大学枚方病院・健康科学センターの肥満外来で、6ヶ月間の運動療法を予定された肥満患者のうち、研究の同意を得られた対象患者を前向きに約100人登録し、6ヶ月間の積極的介入前の基礎的データを収集している。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象患者は介入後前向きに6ヶ月間フォローし、6ヶ月目に介入後の評価を行う。【介入後データ収集】6ヶ月間の積極的介入後に、1) 臨床的基礎データ 2)左室拡張能評価 3) 血管内皮機能評価 4) 脂肪細胞由来因子など血液・尿検査データの項目を収集する。【統計解析】6ヶ月間の積極的介入前・後での血液生化学的データ、血管内皮機能検査、左室拡張能などの臨床基礎データを比較検討をする。得られた研究成果は、研究会、学会、論文執筆を通して社会・国民に発信する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
6ヶ月間の積極的介入後のデータ収集、統計解析、研究成果発表に使用する予定である。
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