研究課題
我々は、冠動脈病変やステント留置後の局所炎症を18F標識fluorodeoxyglucose (FDG) をトレーサーとしたポジトロン断層撮影 (positron emission tomography: PET)を用いて描出・定量化し、ステント留置後に起こる種々の問題点との関連について検討することを目的としている。これまでの研究により心筋のFDG集積は冠動脈における関心領域のFDG集積を計測する上で大きな影響を与え、今後の研究を遂行する上で重要な問題点であると考えられ、心筋集積に影響を受けることが少ない左冠動脈主幹部を評価することとした。また、右心室はFDG集積を認めることは少なく、右冠動脈は評価対象として継続した。しかしながら、左冠動脈主幹部ステントを留置する例は限られており、血管内視鏡での評価は困難な例が多かった。したがって、左冠動脈前下降枝、または回旋枝の近位部にステントを挿入した例でも左冠動脈主幹部のFDG集積を評価した。FDG集積の評価が可能であった例においては、FDGの集積程度が強い例ほど、慢性期の冠動脈造影においてステント部位における狭窄度が進行、血管内皮機能が低下しており、ステント留置局所の炎症が関与していることが推察された。また、ステントを挿入していない冠動脈主幹部にFDGが高集積する例を認め、慢性期の冠動脈造影にて狭窄度が進行していることが確認された。このことについては、大動脈の炎症が冠動脈主幹部にspill-overしている可能性やステントを挿入する際に冠動脈主幹部に血管内皮障害を引き起こしている可能性が示唆された。さらには、耐糖能障害や2型糖尿病症例に対してFDG-PET/造影CTをおこない、インスリン抵抗性改善薬の冠動脈病変に対する抗炎症効果についても確認した。
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