研究課題
本研究申請時の3つの研究項目ごとに最終年度の研究実績の概要を報告する。①抗FRβ抗体を用いた動脈硬化の新規治療法の前臨床研究:12週齢のアポ蛋白E欠損マウス(apoE-KO)3匹に、3% thioglycollate を腹膜投与し、4日後に滲出性腹膜マクロファージを回収し、抗FRβ抗体、抗F4/80抗体で染色し、フローサイトメトリーを用いてマクロファージにおけるFRβ発現細胞の割合を検討した結果、滲出性腹膜マクロファージにおけるFRβ発現細胞の割合は、95.4±1.3%であった。次に、滲出性腹膜マクロファージを抗FRβモノクローナル抗体に緑膿菌毒素を結合させたリコンビナントイムノトキシン(FRβイムノトキシン)とともに72時間及び96時間、37℃、5%CO2下で培養し、細胞を0.1%Triton X-100で処理した後、propidium iodineで染色し、アポトーシス細胞の割合を、フローサイトメトリーを用いて計測した。FRβイムノトキシン1000 ng/mlにおけるアポトーシス細胞の割合は、培養72時間後で67.4±6.3%、96時間後で77.4±3.3%であり、活性化マクロファージに対してFRβイムノトキシンはアポトーシスを誘導することが明らかにされた。②可溶性FRβ測定系の確立と動脈硬化性疾患患者での測定:ヒトFRβモノクローナル抗体を用いたサンドイッチELISA測定法にて血清のFRβ濃度測定し、正常コントロールと比較し大動脈瘤患者ではFRβ濃度の高い症例を認めた。③抗FRβモノクローナル抗体を用いた超音波分子イメージングの開発:抗FRβモノクローナル抗体をAlexa Fluor 488で標識し、MaestroTM in-vivo imaging systemを用い、25週のオスapoE KOマウス動脈硬化巣の蛍光イメージングの定量解析を行った。抗FRβ-Alexa488抗体投与1時間後、上行大動脈基部動脈硬化巣のシグナルは0.04±0.007であり、下行大動脈の非プラーク部分の0.003±0.002と比較し、有意に高値であった。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (3件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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