①ARIAによるAngiogenesis/Vasculogenesisの制御: 骨髄移植モデルを解析した結果、ARIAは既存の内皮細胞の血管新生能亢進によるAngiogenesis増強、血管内皮前駆細胞の機能亢進によるVasculogenesis増強の両方を介して虚血誘導性血管増生を制御していることが明らかとなった。 ② ARIAによる新生血管形成調節の分子機構の解明: ARIAノックダウンにより、EPC中のPTENの細胞膜局在は著明に減少した。一方、CHO細胞にARIAを過剰発現させるとPTENの細胞膜局在は有意に増加し、その結果、細胞膜中のPIP3が減少した。以上より、ARIAはPTENの細胞膜局在の調節を介して血管内皮PI3K/Aktシグナルを制御することが明らかとなった。さらにARIAノックアウトマウスで認めた虚血誘導性血管新生の増強はNOS阻害剤およびPI3K阻害剤の投与で完全にキャンセルされた。これら結果から、ARIAは生体内においてもPI3K/Akt/eNOSシグナルを調整し、血管新生を制御していることがわかった。 ③ ARIA阻害剤の探索とその治療効果の検証: In silicoスクリーニングの結果、ARIAとPTENの結合を阻害する低分子化合物(compound-30)を発見した。今後、compound-30の薬理作用をより詳細に検討する予定である。
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