研究課題/領域番号 |
23591109
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
岩本 紀之 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 派遣研究員 (70534709)
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研究分担者 |
斯波 真理子 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (70271575)
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キーワード | HDL / 核酸医薬 |
研究概要 |
生体内のHDL産生のkey regulatorであるABCA1を標的遺伝子とした、革新的な核酸医薬を用いたHDL増加薬の開発基礎研究。これまで我々が明らかにしてきたABCA1の転写活性メカニズムの検討により、転写調節因子AP2がProtein kinase D(PKD)によってリン酸化されることによってABCA1のプロモーター領域に結合し、その活性を負に制御することを見出した。 PKD特異的BNA修飾された核酸医薬を用いて、間接的にABCA1の活性化を図り、HDLの増加とおよびマウスにおける抗動脈硬化作用の影響を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞実験でPKDアンチセンスによりABCA1のmRNAが増加することを確認し、その後マウスのPKD特異的BNA修飾されたアンチセンスを大量に作成。これを用いて、マウスに投与して検討を行った。血清HDLコレステロールの増加と肝臓におけるABCA1のmRNAレベルの増加を確認。しかしながら、マウス肝臓に発現していると考えていたPKDの発現が非常に少なく、HDLが増加したメカニズムが本当に肝臓主体であるのかを再度検討し直す必要性が生じてきた。
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今後の研究の推進方策 |
HDL-Cの主要産生臓器である肝臓がPKD-AP2 pathwayによるHDL増加薬のkey organと考えていたが、今後マクロファージや腸管などについての検討やさらには肝臓にPKDを発現しているマウス種を探索し、それを用いての検討を実施する予定である。またこれらの実験と並行して、apoEノックアウトマウスを用いた抗動脈硬化作用についての検討も行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞を用いたin vitro実験の段階で、PKDmRNAの発現を抑制できる効率的なアンチセンスが同定できておらず、不適切な大量の核酸注文を回避するため、当初予定していたin vivo実験で使用する大量の核酸医薬の注文を延期しており、研究費に残額が生じていたが、 次年度はマウスにアンチセンスを投与する予定であり、この場合、大量に生産する必要があるため、次年度の研究費のほとんどはBNA修飾核酸医薬PKDの製造に使用する予定である。また、発現レベルをreal-time PCRで測定しており、そのための試薬やprimerの購入にも使用する予定である。
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