研究課題
気管支喘息は気道を場とした慢性アレルギー性炎症であり、その病態の中心には抗原特異的Th2細胞と、IL-4、IL-5、IL-13を始めとしたTh2サイトカインが存在する。近年、このTh2細胞の分化に気道上皮細胞が重要な働きを果たすことが示された。すなわち、気道上皮細胞はパターン認識受容体やサイトカインシグナルによりTSLP、IL-25、IL-33を産生することにより、Th2細胞分化を促進することが明らかにされた。我々はこのIL-25に着目し、肺特異的にIL-25を過剰産生するマウス(CC10 IL-25 Tgマウス)を作製し、IL-25がCD4陽性T細胞依存的に、抗原誘発性アレルギー性気道炎症を促進することをしめした(Tamachi T et al. J Allergy Clin Immunol. 2006)。また近年ではIL-25がIL-9産生性CD4陽性T細胞(Th9細胞)分化を促進することも示された。我々はCC10 IL-25 Tgマウスの解析を進めることにより、肺動脈周囲にアレルギー性炎症および平滑筋増生が自然発症することを見出した。さらにこれらの肺動脈周囲炎や平滑筋増生の発症にはNKT細胞が必須であることを見出した(Kawashima S et al. Int Arch Allergy Immunol. 2013)。近年、肺高血圧症の特徴的病理所見である平滑筋増生にアレルギー性炎症が関与することが示唆されており、本研究により肺動脈炎の発症にIL-25/NKT細胞経路が重要な役割を果たすことが示された。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Am J Respir Cell Mol Biol
巻: in press ページ: in press
Arthritis Care Res
10.1002/acr.22303.
Int Immunol
巻: 26 ページ: 103-114
10.1093/intimm/dxt047.
Allergy
巻: 62 ページ: 822-826
Clin Dev Immunol.
巻: 2013 ページ: 1-4
10.1155/2013/818654.
J Immunol.
巻: 19 ページ: 3614-3623
10.4049/jimmunol.1300509.
Int Arch Allergy Immunol.
巻: 161 Suppl 2 ページ: 118-124
10.1159/000350379.
J Allergy
巻: 2013 ページ: 1-5
10.1155/2013/260518.
http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/allergy/research/01/index.html