研究課題
免疫の制御や肺胞構成細胞のapoptosis、炎症反応の惹起に重要な影響を及ぼすCD40/CD40Lの経路が、慢性肺気腫の病態形成にも関わっている可能性を示すために、CD40,IFN-γ、Fas抗体をマウスに吸入させ、肺実質の組織破壊、apoptosis、炎症反応、気道上皮や血管内皮細胞、血管平滑筋細胞のリモデリングでリングを再生できるような、新たなマウスモデルを作成した。この動物モデルにより、CD40刺激がIFN-γやFasと相乗効果的に作用して人の肺気腫に近い病態を再現できることを示した。過去の肺気腫の動物モデルはエラスターゼを吸入させるなどやや人工的なモデルが多かったことを考えると、私たちの作成したモデルはより、実際のCOPDの病態に近づけたと思われる。また、実際に千葉大学医学部附属病院を受診している患者からの血液検体を測定したところCD40L(可溶型)が喫煙者非COPD群と比べて有意に上昇していることが明らかになり、またその程度は肺機能(閉塞性障害)やCT肺気腫の程度と逆相関していること、すなわち臨床的にCOPDの進展と相関しておりバイオマーカーとして機能しうることを明らかにできた。同結果は2009~2012年の日本呼吸器学会、米国胸部疾患学会(ATS)、2012年慢性閉塞性肺疾患研究会(優秀演題賞)で学会報告し、下記に誌面公表した(featured articleに選択された)。CD40 amplifies Fas-mediated apoptosis: a mechanism contributing to emphysema.Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2012 303(2):L141-51
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Eur J Radiol.
巻: 82810) ページ: 1804-10
10.1016/j.ejrad.2013.05.022