研究課題/領域番号 |
23591115
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
真嶋 隆一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00401365)
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キーワード | 喘息 |
研究概要 |
平成24年度も引き続き,交付申請書に記載した研究の目的に沿って研究を実施した.具体的には,申請書に記載した方法によりマウスの喘息様表現型の精査を行なった.喘息の発症原因としては,現在,抗原依存的な免疫反応,炎症細胞から産生されるメディエーター,冷気に接触したりスポーツを行なった直後の要因と考えられる物理的因子,アスピリンなどが知られている.平成24年度は,このうち抗原依存的な反応と炎症反応に注目して研究を進めた. 喘息は,その増悪因子として,ウイルス感染と職業的要因による外来物質の吸入/接触等が知られている.喘息に係る研究を進める上で,平成24年度はこれらの因子のうちウイルス感染に注目した.より具体的には,実験モデルとしてインフルエンザウイルスの感染系に注目し,この感染実験の個体レベルと細胞レベルの立ち上げを行なった.予め感染実験が適切に行なわれているかを確認するために,平成24年度は野生型のマウスおよび培養細胞を用いて予備検討までを行った.実際には,個体レベルの実験として,経気道的に感染力価の異なるインフルエンザウイルスをマウスに感染させた後,マウスの生存率と体重変化のウイルス力価依存性を検討した.また,細胞レベルの実験として,MDCK細胞を用いてこれにインフルエンザウイルスを感染させ,感染後24時間までの生化学的解析を行なった. 以上の研究は,喘息とウイルス感染といった,非常に臨床的に多く見られる現象を対象としており,この実験系において機能している遺伝子の生理的意義を検討することは学術的に重要である.こうした研究意義に加えて,得られる研究成果は抗喘息薬や抗ウイルス薬の開発への展開も考えられ,応用としても重要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に研究が進んでいる.現在,個体/細胞レベルの感染実験と平行して,実験材料として用いるウイルスの増幅を発育鶏卵を用いて行なう等の準備作業も合わせて行なっている.この作業も大体計画通りに進行しており,研究全体として,所定の達成度で研究が進行していると思われる.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,野生型マウスで実験的に確立した実験条件を, 各種遺伝子改変マウスに応用して実験データを蓄積して行く予定である.このことにより,喘息とインフルエンザ感染における,研究対象遺伝子の生理的意義を解明して行きたい.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,引き続き動物実験と細胞培養実験を行なう.このため所定の経費が発生する.本年度と同様に計画的に使用することを予定している. なお,本年度において次年度使用額が発生した理由は,研究代表者の異動に伴う研究体制の回復期間において,消耗品その他への支出が一時的に減少した状況にあったためである.
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