研究課題
肥満マウスと非肥満マウスで喘息モデルを作成して表現型を検討すると、非肥満マウスに比べて、肥満マウスでは、より強い気道過敏性亢進および、気管支肺胞洗浄液中の総細胞数、リンパ球、好酸球の増加が認められた。卵白アルブミンで腹腔感作した肥満マウスから、内臓脂肪を取り出し、内臓脂肪組織内の単核球を精製し、未感作の非肥満マウスの腹腔内に受け身移入して、卵白アルブミンを吸入暴露させたところ、気道過敏性が亢進することが明らかになった。一方、未感作の肥満マウスから取り出した内臓脂肪由来の単核球の受け身移入では、気道過敏性の亢進は見られなかった。現在更に数を増やして検討中である。
3: やや遅れている
昨年度の病気療養の為に全体的に1年の研究進行が遅れているが、本年度は、受け身移入実験も繰り返しており、遅れを取り戻しつつある。
現在の受け身移入の方法では惹起できる反応が弱い為、CD8陽性T細胞を受け身移入した場合に差を検出するのが困難であることが予測される。従って、過去に報告している2次暴露モデル(一度感作吸入暴露し作成した喘息モデルにおいて、気道炎症が改善してくる時期に細胞を受け身移入して抗原を吸入暴露する方法。Ohnishi H, et al. J Allergy Clin Immunol 2009.123:249-57.)を用いる予定である。
病気療養の為に平成24年度は実験がほとんどできなく、1年の実験計画の遅れが生じているため。感作肥満マウスの内臓脂肪由来の単核球を、非肥満マウスに受け身移入し抗原暴露すると、気道過敏性が亢進することが判明したが、来年度は、更にCD8陽性T細胞を分離して受け身移入を行う。CD8陽性T細胞の受け身移入実験には、多くのCD8陽性T細胞が必要であり、分離のための試薬と肥満マウスの作成に研究費を使用する。
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