研究課題/領域番号 |
23591125
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
友田 恒一 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90364059)
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研究分担者 |
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80271203)
木村 弘 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20195374)
大崎 茂芳 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90273911)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 肺胞壁断裂 / 力学機能 / 加齢 / コラーゲン線維 / 配向性 |
研究概要 |
肺気腫は、肺胞壁の断裂が主体である慢性閉塞性肺疾患であり60歳代後半から70歳代に発症する。しかし長年の喫煙により肺胞壁が断裂するメカニズムは未だ明らかにされていない。申請者は周期的で不均一な呼吸運動による力学負荷に対してコラーゲン線維配列が再構築しながら肺構造維持に寄与していることを明らかにしてきた。本研究ではコラーゲン線維には力学負荷に対する耐容性が存在し、耐容限界を超える回数の呼吸運動による力学負荷を受けるとコラーゲン線維の力学強度が低下し、肺の力学機能が低下するとの仮説を立てた。この仮想に基づくと、 喫煙により脆弱化した肺は、高齢になると加齢による力学機能低下が加わり呼吸運動による力学負荷に対応できなくなり肺胞壁の断裂がおこり気腫肺ができると説明することができる。この仮説を実証すべくヒト肺における加齢による力学機能の変化に焦点をあてて肺気腫における肺胞壁断裂のメカニズム解明の糸口を得ることが本研究の目的である。本年度は病変のない80歳台の肺標本および中等度の肺気腫の肺標本からコラーゲン配向性および力学特性を測定するサンプルを調整した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度行った病理解剖のなかでは年齢別の病変のない肺標本および肺気腫早期の肺標本の収集ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト肺におけるコラーゲン線維の配向性および力学強度を年齢別に測定し、加齢による肺の力学機能の変化の存在を明らかにするとともに、気腫肺の力学機能と比較することで加齢による肺の力学機能低下が肺胞壁断裂に果たす役割を明らかにする。過去の病理解剖標本のなかから年齢別の病変のない肺標本および早期の肺気腫を認める肺標本を収集するようにするようにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度:得られたサンプルでコラーゲン線維配向性および力学強度の測定を行う。コラーゲン線維配向性の測定:マイクロ波を回転するシート状サンプルに照射し、マイクロ波の透過強度の角度依存性を測定することでコラーゲン線維の配向性を求めるマイクロ波方式(Osaki S, Nature,347, 132 (1990))を用いて調製したシート状肺サンプルにおけるコラーゲン線維配向性を5mm間隔で測定し、冠状断面での分布図を作製する。力学強度の測定:1)水平方向および垂直方向評価用に5mm×15mmの大きさに調製して切り出す。2)破断限界の測定調製した肺サンプルを用いて引っ張り試験を行い(Osaki S, Nature 384, 419 (1996))、力学強度―伸び曲線を作成し破断した際の破断強度および破断伸びを測定する。3) 測定後水平方向および垂直方向の力学強度分布図を作製する。また継続して年齢別の病変のない肺標本および早期の肺気腫の肺標本の収集を行う。
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