研究課題/領域番号 |
23591125
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
友田 恒一 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90364059)
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研究分担者 |
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80271203)
木村 弘 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20195374)
大崎 茂芳 奈良県立医科大学, 医学部, その他 (90273911)
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キーワード | 肺胞壁断裂 / 力学機能 / 加齢 / コラーゲン線維 / 配向性 |
研究概要 |
肺気腫は、肺胞壁の断裂が主体である慢性閉塞性肺疾患であり、60歳代後半から70歳代に発症する。しかし長年の喫煙により肺胞壁が断裂するメカニズムは未だ明らかにされていない。申請者は周期的で不均一な呼吸運動による力学負荷に対してコラーゲン線維配列が再構築しながら肺構造維持に寄与していることを明らかにしてきた。本研究ではコラーゲン線維には力学負荷に対する耐用性が存在し、耐用限界を超える回数の呼吸運動による力学負荷を受けるとコラーゲン線維の力学負荷が低下し、肺の力学機能が低下するとの仮説を立てた。この仮説に基づくと、喫煙により脆弱化した肺は、高齢になると加齢による力学機能低下が加わり呼吸運動による力学負荷に対応できなくなり肺胞壁の断裂がおこり気腫肺ができると説明することができる。この仮説を実証すべくヒト肺における加齢による力学機能の変化に焦点をあてて肺気腫における肺胞壁断裂のメカニズム解明の糸口を得ることが本研究の目的である。 方法:本年度は肺疾患のない若年者の病理肺標本から冠状断面におけるコラーゲン線維の配向性を測定し、以前測定した高齢者の肺におけるコラーゲン線維の配向性との比較を行った。 結果:コラーゲン配向の角度は高齢者と同様に脊椎と平行方向に向いていた。配向度は高齢者に比べ高い傾向が認められた。 結論:加齢に伴ってヒト肺におけるコラーゲン線維の配向性は配向度が低下する可能性が示唆された。
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