2006年から2010年に当院で気管支鏡検査を行い非小細胞肺癌(NSCLC)の診断がなされ、切除術が施行された159例を対象として解析したデータを元に後ろ向きの解析を行った。125例で経気管支生検、117例で気管支擦過細胞診、5 例で経気管支針生検による診断が行われた。気管支鏡検体にて扁平上皮癌(Sq)と診断された37例のうち,術後Sqと診断されたものが34例、Sq以外のNSCLCが2例,小細胞癌(Sm)が1例であった。一方、気管支鏡でSqとは診断されなかったNSCLC(non-Sq)122例のうち、術後Sq以外のNSCLCであったものが112例、Sq9例、Sm1例であった。Non-Sqの肺癌が、気管支鏡でSqと診断されない感度(Sqと診断されることの特異度)は97.4%であった。またSqが気管支鏡でSqと診断される感度(Sqと診断されないことの特異度)は79.1%であった。 以上のデータをまとめ論文報告する予定であったが、異なる気管支鏡手技が混在していることで、メッセージ性に乏しいと判断した。そこで気管支鏡手技を気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)に絞り、新たにデータの抽出を行った。また非小細胞肺癌と気管支鏡で診断されて、手術となった症例の中に最終的に小細胞肺癌と診断された症例が存在するために、対象を原発性肺癌とすることとした。 新たな対象は2003年から2011年に当院でEBUS-GS法にて肺癌と診断された203例。EBUS-GSでSqと診断された40例のうち、37例(93%)が手術でSqと診断された。一方、EBUS-GSでnon-Sq(SqとSmを除いたもの)と診断された159例中、術後Non-Sqであったのが 151例(95%)、Sq6例、Sm2例であった。免疫染色は全部で48例に行われ、頻度しては、TTF-1が最も多く37例(18%)に施行された。 以上の内容を現在、論文として投稿中である。
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