研究課題
基礎実験;一酸化窒素(NO)供与剤であるNOC-18はマウス肺腺癌細胞LLCにおいて、ペメトレキセドの殺細胞効果を有意に増強した。一方NO供与剤GTNはLLC移植動物モデルにおいてペメトレキセドとゲムシタビンの抗腫瘍効果を有意に増強することを確認した。さらに興味深いことにNO供与剤は腫瘍の周辺組織への直接浸潤を有意に抑制する効果を認めたが、NO供与剤による癌組織のMMP活性の抑制効果を示さなかった。3つのNO供与剤併用化学療法に関する臨床試験の進捗状況は以下の通りである。(1) 未治療進行非小細胞肺癌患者におけるPaclitaxelとCarboplatinに対するニトログリセリン併用/非併用療法に関す多施設無作為化第II相比較臨床試験 (TRILC0702) と(2) 高齢者未治療病期第IIIB/IV期非小細胞肺癌症例に対するニトログリセリン・ドセタキセルの単群第II相臨床試験 (TUTRCDC003)では症例登録数が及ばず、試験継続を終了とした。現在、プロトコル治療後2年間の追跡調査のデータクリ―ニングとデータ固定、並びに統計解析を行っている。データ解析が終了次第、学会発表や論文化を行う予定である。 (3) 3rdライン既治療非小細胞肺癌症例に対する塩酸アムルビシン・ニトログリセリン併用療法の第II相単群臨床試験(KUOPLC0701):この臨床試験に関しては目標症例数60例に対して59例が登録され、症例登録は終了した。症例登録完了後1年間の経過観察が終了し、主要エンドポイントである無増悪生存期間についてのデータがデータセンターに集積されて現在データクリーニングと統計解析中を行っている。データ解析が終了次第、学会発表や論文化を行う予定である。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (2件)
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Support Care Cancer
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https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000000973&language=J
http://www.clinicaltrial.gov/ct2/show/record/NCT00616031?spons=%22Kyoto+University%22&spons_ex=Y&rank=5