研究課題/領域番号 |
23591137
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土肥 眞 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60222155)
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研究分担者 |
今村 充 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80529157)
原田 広顕 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (40579687)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | アレルギー / 気管支喘息 |
研究概要 |
本研究は、気管支喘息や花粉症などの気道アレルギー性疾患の病態に深く関与している免疫担当細胞と、主に植物性食品ならびにその代謝産物に含まれるイソプレノイド類、特にペリリルアルコール(POH)との相互関係を実験的研究で明らかにし、臨床応用を目指した基礎的検討を進めることを目指している。 本年度は、代表的イソプレノイドであるPOHを用いて、これをマウスアレルギー性気道炎症モデルに投与し、その効果を検討した。雄BALB/cマウスに卵白アルブミン(OVA)と水酸化アルミニウムゲルとの懸濁液(OVA/alum)を腹腔内投与して感作した。In vivoの実験では、感作は、day0ならびにday 11に行った。マウスから取り出した脾臓細胞を用いたin vitroの実験系では、感作はday0の1回のみ実施した。POHは、過去の報告にあるようにTricaprylinに溶解し、腹腔内投与した。対照群には、Tricaprylinのみを連日腹腔内投与した。POHあるいは対照薬の投与は、in vivoの系では1回目の感作終了後より2回目の感作開始直前(days11-day17)まで投与した。In vitroの系では、day 0からday10まで連続投与した。 POHの投与は、気道壁への炎症細胞浸潤、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の好酸球数を有意に抑制した。さらに、BALF中のIL-5, IL-17の増加を抑制した。脾臓から得られた細胞をOVA抗原で刺激する実験系で、POH投与はコントロール群と比べて、IL-5、IL-17の産生を抑制していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度に立案した実験計画の中で、脾臓細胞を用いたin vitroでの解析については実施できなかった。従って、POHのアレルギー性炎症抑制効果の機序として、リンパ球に及ぼす影響・効果については、本年度中には解析できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に解析出来なかったin vitroにおける効果を、リンパ球について解析する。さらに、平成24年度の実験計画に従い、脾臓細胞集団から、磁気ビーズを用いて樹状細胞を分離精製し、POHの効果について同様に検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度と同様に、研究計画を遂行するために必要な、マウス購入代金、試薬代金、さらに結果を発表する学会への出張経費に充てる予定である。
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