研究概要 |
本年度の成果は「Respiratory Medicine」(Unoura K, Miyazaki Y, et al. Identification of fungal DNA in BALF from patients with home-related hypersensitivity pneumonitis. Respir Med 2011;105:1696.)に報告した。 夏型を含む住居関連過敏性肺炎(home-related hypersensitivity pneumonitis: HRHP)(19例)、膠原病肺を含む肺疾患(35例)及び健常者(8例)を対象とした。気管支肺胞洗浄液(BALF)よりDNAを抽出。Trichosporon sp.およびHRHPで報告のあるAcremonium chrysogenum, Aspergillus fumigatus, A. niger, Fusarium napiforme, Humicola fuscoatra, Penicillium corylophilum, Pezizia domicilianaのプライマーでPCRを行った。陽性PCR産物をクローニング/シークエンスした。急性HRHP10例中9例、慢性9例中8例でTrichosporon sp.を検出、この内11サンプルはT. asahii、4サンプルはC. uzbekistanesis、1サンプルはT. japonicumと同定、急性2例ではF. napiformeも検出された。健常者では真菌DNAは検出されず、他疾患中膠原病肺のみ17例中3例でTrichosporon sp.を検出、膠原病肺への関与も示唆された。 以上よりHRHP患者のBALFより真菌DNAが検出可能で、T. asahii以外の真菌も同定され、本法がHRHPの診断に有用であることが分かった。
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