研究課題
DEAD/H (Asp-Glu-Ala-Asp/His) box polypeptide 3, X-linked (DDX3X)がメラノーマ癌幹細胞に特異的に発現していることをプロテオーム解析により明らかとした。小細胞肺癌は、極めて進行が早く血行性、リンパ行性遠隔転移を早期から来すことが知られているが、ランバートイートン症候群などのonconeural proteinを認識するparaneoplastic syndromeを有した場合には進行が緩徐となることが知られている。私達は、小細胞肺癌の中で遠隔転移を持たない限局型患者の末梢血中には小細胞肺癌を認識するエフェクター型T細胞が誘導されていることを示してきた。また、小細胞肺癌にはCD133陽性のがん幹細胞が比較的多数含まれており、腫瘍進展に大きな役割を果たしていることが知られている。ヒト癌細胞株を用いて検討したところ、DDX3Xは小細胞肺癌に高発現していることが明らかとなった。そこで、限局型小細胞肺癌患者末梢血中に誘導されているエフェクター型T細胞がこのDDX3Xを認識するものであるか検討した。この結果、健常者、進展型小細胞肺癌患者、治癒した限局型小細胞肺癌患者ではDDX3X反応性T細胞は一例も検出できなかったが、限局型小細胞肺癌患者12名中5名でDDX3Xを認識して有意なIFNγ産生を示すエフェクター型CD4+ T細胞が検出された。一方、DDX3Xを標的抗原とした抗腫瘍免疫療法の有効性を検討するために、マウスメラノーマを使用した皮膚転移モデルにおけるDDX3X特異的T細胞移入療法の効果を解析した。この結果、DDX3Xを認識するCD4+ T細胞は有効な腫瘍退縮効果を示すことが明らかとなった。
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Cancer Immunol Immunother
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