背景:小細胞肺癌が早期から血行性リンパ行性転移を来すメカニズムとして、比較的多数の癌幹細胞を有していることが考えられている。本研究では、マウスメラノーマ癌幹細胞をプロテオーム解析することで同定した癌幹細胞特異的蛋白質であるDDX3Xに着目した。 結果:小細胞肺癌細胞株は多数の癌幹細胞マーカー陽性癌細胞を含んでおり、DDX3Xの発現も高度であった。遠隔転移を有していない限局型患者12名中5名の血液には、DDX3Xを認識するCD4T細胞が含まれていたが、遠隔転移を有する患者、健常者では全く認められなかった。 DDX3X反応性T細胞はマウス腫瘍モデルにおいて腫瘍退縮効果を示した。
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