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2011 年度 実施状況報告書

薬剤性肺障害に関連する遺伝子多型の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23591143
研究機関信州大学

研究代表者

久保 恵嗣  信州大学, 医学部, 教授 (80143965)

研究分担者 花岡 正幸  信州大学, 医学部, 准教授 (20334899)
太田 正穂  信州大学, 医学部, 准教授 (50115333)
伊東 理子  信州大学, 医学部附属病院, 医員 (60569812)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード薬剤性肺障害 / 遺伝子多型 / HLA解析 / GWAS解析
研究概要

解析用検体採取:薬剤性肺障害発症患者14名、及び信州大学医学部附属病院でゲフィチニブ、エルロチニブの投与を受けている患者で本研究への同意を得られた薬剤性肺障害非発症者19名より血液サンプルと臨床データを収集した。遺伝抽出:収血液サンプルより、QuickGene-800(FUJIFILM)を用いてDNAを抽出した。遺伝子解析:(1)薬剤性肺障害発症群、非発症群でHLA-A、B、DR、DQローカスの解析を行い、両群間で比較した。(2)50万個の単塩基多型(SNP)を用いたAffymetrix社のGWAS解析により、全ゲノム網羅的な相関解析を行い、両群間で比較した。HLA解析:薬剤性肺障害発症群は、非発症群に比べてHLA-A*0201のアリル頻度が低く(3.6%)、A*0206の頻度は高かった(21.4%)。しかし統計学的な有意差は認めなかった。また健常日本人との比較でも、HLA-A*0201のアリル頻度が低く、A*0206のアリル頻度が高かったが、統計学的な有意差は認めなかった。GWAS解析:2種類以上のSNPsと相関を示した遺伝子は5つあった。その中でcell rateが高く、HWE値が外れていない遺伝子としてHIVEP3(human immuno-deficiency virus type I enhancer binding protein 3)を認めた。この遺伝子内の8つのSNPsにおいて、薬剤性肺障害発症群と非発症群との比較で強い有意差(p< 0.00027)を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

順調に解析用検体の採取が進み、現在も検体採取が進行している。また遺伝子解析でも、前述のごとく薬剤性肺障害発症群と非発症群で特定のSNPsの頻度に有意差を認めている。したがって現在までの達成度はおおむね順調である。

今後の研究の推進方策

解析用検体採取、遺伝子診断:引き続き薬剤性肺障害発症群、非発症群より血液サンプルおよび臨床データを収集し、血液サンプルより遺伝子解析を行う。遺伝子解析:平成23年度に検討した遺伝子の中で、薬剤性肺障害発症群と、非発症群で有意に頻度差を認めたSNPsの周囲について、さらにSNPsを増やしてGenotypingを行い、両群間で遺伝子頻度を比較する。リスク遺伝子の病態への影響についての検討:得られた解析の結果から、薬剤性肺障害の遺伝的背景の可能性のある遺伝子多型について、線維化のマーカーであるKL-6、SP-Dなどとの相関解析、呼吸機能検査で得られる拡散能などの指標との相関解析、BALF中の血球細胞比率との相関解析をそれぞれ行う。リスク遺伝子の薬剤性肺障害への影響を検討:原因薬剤の違いとSNPsとの関連、リスク遺伝子の薬剤性肺障害発症への影響の程度についてその他関連因子を補正し、多変量解析にて検討する。

次年度の研究費の使用計画

遺伝子抽出や解析などに必要な試薬などの物品費(プライマー 500,000円など):600,000円研究発表のための国内外への学会への旅費、参加費(海外学会 100,000円、国内学会 60,000円など):160,000円人件費、謝金:240,000円

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公開日: 2013-07-10  

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