• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

薬剤性肺障害に関連する遺伝子多型の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23591143
研究機関信州大学

研究代表者

久保 恵嗣  信州大学, 医学部, 教授 (80143965)

研究分担者 花岡 正幸  信州大学, 医学部, 准教授 (20334899)
太田 正穂  信州大学, 医学部, 准教授 (50115333)
伊東 理子  信州大学, 医学部附属病院, 医員 (60569812)
キーワード薬剤性肺障害 / 遺伝子多型 / HLA解析
研究概要

解析サンプル:薬剤性肺障害発症者55名および非発症者35名より血液を採取し、自動DNA抽出器(Quick Gene, FUJIFULM Co.)を用いてDNAを抽出した。
HLA-DNAタイピング:LABType SSO試薬(One Lamda Inc.)にてHLA-A*、-B*、-C*、-DRB1*、-DQB1*をLuminex法で検査した。
結果:発症群と非発症群との比較においてアリル数が5以上で遺伝子頻度が2倍以上の相違を示したのは、HLA-B*54:01(発症群:6.36%、非発症群:12.86%)とHLA-DRB1*08:03(発症群 6.36%、非発症群:15.71%)であった。また、アリル陽性者頻度で比較するとDRB1*08:03(発症群:12.7%、非発症群:28.6%)のみに相違がみられた。しかし、アリル頻度、アリル陽性者頻度について、両群間では統計学的有意差(p<0.05)を示すアリルは存在しなかった。健常人201人と発症群および非発症群におけるアリル陽性者頻度について比べ、χ2 testによる相関解析を行った。健常者と比較し、アリル陽性率で統計学的有意差を示したのは、発症群においてHLA-DRB1*04:05(OR: 2.10, p=0.022)、-DQB1*04:01(OR: 2.17, p=0.018)、-C*01:02(OR: 1.86, p=0.049)であった。また非発症群においてはHLA-A*24:02(OR: 2.51, p=0.012)、-C*01:02(OR: 2.10, p=0.047)、-C*12:02(OR: 2.59, p=0.039)、-DRB1*15:02(OR: 0.31, p=0.029)、-DQB1*06:01(OR: 2.10, p=0.047)、-DQB1*06:02(OR: 0.22, p=0.012)であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

順調に解析用検体の採取が進み、現在も検体採取が進行している。
また遺伝子解析でも、前述のごとく薬剤性肺障害発症群と健常者との比較で特定のHLAのアリル保有率に有意な差を認めている。
したがって現在までの達成度はおおむね順調である。

今後の研究の推進方策

解析用検体採取、遺伝子診断:引き続き薬剤性肺障害発症群、非発症群より血液サンプルおよび臨床データを収集し、血液サンプルより遺伝子解析を行う。
遺伝子解析:前述のごとく薬剤性肺障害発症群と健常者との比較で保有率に有意差を認めたHLA遺伝子が疾患発症、非発症に機能的に関与しているか、さらに検体を増やして解析予定である。
リスク遺伝子の病態への影響についての検討:得られた解析の結果から、薬剤性肺障害の遺伝的背景の可能性のある遺伝子多型について、線維化のマーカーであるKL-6、SP-Dなどとの相関解析、呼吸機能検査で得られる拡散能などの指標との相関解析、BALF中の血球細胞比率との相関解析をそれぞれ行う。
リスク遺伝子の薬剤性肺障害への影響を検討:原因薬剤の違いとHLAとの関連、リスク遺伝子の薬剤性肺障害発症への影響の程度についてその他関連因子を補正し、多変量解析にて検討する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 薬剤性肺障害における分子遺伝学的検討2012

    • 著者名/発表者名
      小林信光、花岡正幸、太田正穂、牛木淳人、伊東理子、平井一也、徳田均、巽浩一郎、河野修興、久保惠嗣
    • 学会等名
      第52回日本呼吸器学会学術講演会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20120420-22
  • [学会発表] 薬剤性肺障害における分子遺伝学的検討2012

    • 著者名/発表者名
      伊東理子、花岡正幸、太田正穂、小林信光、徳田均、平井一也、巽浩一郎、河野修興、久保惠嗣
    • 学会等名
      第109回日本内科学会総会・講演会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20120413-15

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi