研究概要 |
解析サンプル:薬剤性肺障害発症者55名および非発症者35名より血液を採取し、自動DNA抽出器(Quick Gene, FUJIFULM Co.)を用いてDNAを抽出した。 HLA-DNAタイピング:LABType SSO試薬(One Lamda Inc.)にてHLA-A*、-B*、-C*、-DRB1*、-DQB1*をLuminex法で検査した。 結果:発症群と非発症群との比較においてアリル数が5以上で遺伝子頻度が2倍以上の相違を示したのは、HLA-B*54:01(発症群:6.36%、非発症群:12.86%)とHLA-DRB1*08:03(発症群 6.36%、非発症群:15.71%)であった。また、アリル陽性者頻度で比較するとDRB1*08:03(発症群:12.7%、非発症群:28.6%)のみに相違がみられた。しかし、アリル頻度、アリル陽性者頻度について、両群間では統計学的有意差(p<0.05)を示すアリルは存在しなかった。健常人201人と発症群および非発症群におけるアリル陽性者頻度について比べ、χ2 testによる相関解析を行った。健常者と比較し、アリル陽性率で統計学的有意差を示したのは、発症群においてHLA-DRB1*04:05(OR: 2.10, p=0.022)、-DQB1*04:01(OR: 2.17, p=0.018)、-C*01:02(OR: 1.86, p=0.049)であった。また非発症群においてはHLA-A*24:02(OR: 2.51, p=0.012)、-C*01:02(OR: 2.10, p=0.047)、-C*12:02(OR: 2.59, p=0.039)、-DRB1*15:02(OR: 0.31, p=0.029)、-DQB1*06:01(OR: 2.10, p=0.047)、-DQB1*06:02(OR: 0.22, p=0.012)であった。
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