研究課題/領域番号 |
23591151
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関 雅文 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (80432970)
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研究分担者 |
朝野 和典 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40202204)
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キーワード | インフルエンザ / 肺炎 / NHCAP / 好中球 / NETs / MRSA |
研究概要 |
本研究は、インフルエンザウイルス感染症および関連する細菌性肺炎において、個体側の因子=免疫因子が過剰に反応していることで、かえって組織障害を促進し、肺炎の重症化に寄与している可能性を考察し、さらに臨床的に治療および感染予防・重症化対策へフィードバックすることを大きな目標としている。 本年度は、好中球を中心とする免疫系の過剰な活性化:NETs (Neutrophil Exracellur Traps)などの解析を順次、検討した。これらは症例の臨床的解析とともに、ヒトからの検体、マウスや細胞を用いた基礎的実験系においても検討を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
基礎実験に関しては、重症肺炎における好中球の活性化: Neutrophil Exracelluar Traps (NETs)の関与を示す英語論文などを逐次発表することができた。 また、臨床面では、高齢者のインフルエンザ肺炎に言及した医療・介護関連肺炎(NHCAP)ガイドラインに関する発表や論文を、引き続き多数発表することができた。さらに肺炎球菌と並んで、インフルエンザに関係する2次性細菌性肺炎の重要な原因菌として知られる黄色ブドウ球菌;特にわが国に多いMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症の診療に関するガイドライン(TDMガイドライン:日本化学療法学会、委員として参加)や、新たな抗MRSA薬治療レジメンに関する英語論文なども発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
好中球を中心とする免疫系の過剰な活性化:NETs (Neutrophil Exracellur Traps)の関与を、引き続き重症肺炎を中心に順次、検討する予定である。インフルエンザ肺炎に関しても、主に近畿地区での臨床研究を進める予定である。これらの症例の基礎的、臨床的解析とともに、前述のようにインフルエンザ関連細菌性肺炎の重要な原因菌として知られるMRSAのインフルエンザウイルスとの重複感染を、マウスモデルで検討する。また、症例においても、抗MRSA薬の使用法や感染制御法も含めて、さらに検討を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
症例検討のために立ち上げたインフルエンザおよびMRSAなど細菌感染症の臨床研究を進めるとともに、実験のためのマウスや抗体などの購入を進める予定である。また、学会発表や論文執筆を進め、海外研究者とも積極的に交流し、情報交換を行う予定とする。
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