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2012 年度 実施状況報告書

肺コレクチンが有する急性肺障害制御機能の臨床応用化への橋渡し

研究課題

研究課題/領域番号 23591154
研究機関札幌医科大学

研究代表者

高橋 弘毅  札幌医科大学, 医学部, 教授 (60231396)

キーワード肺コレクチン / 急性肺障害
研究概要

急性肺障害、なかでも抗がん剤等で惹起される薬剤性肺障害は臨床上重要な有害事象である。本研究では急性肺障害の増強因子としてのToll-like receptor(TLRs)の関与を明らかにし、さらにTLRsの制御因子として知られる肺コレクチン投与による障害抑制効果について検討する。
H23年度に肺コレクチンKOマウスを用いた薬剤性肺障害の作成と肺障害の評価を行い、SP-A(-/-)マウスにおいて薬剤投与後早期の炎症が増悪し、さらに引き続き後期の線維化においても肺障害が増強しているものと考えられた。
H24年度はさらにその機序を解明するために、肺胞マクロファージ細胞と薬剤、肺コレクチンの関係についてin vitroで検討を行った。週齢8週のSDラットの肺胞洗浄液から肺胞マクロファージを分離し、薬剤(ブレオマイシン)で刺激したところ、TNF-α、IL-1βなどの炎症性サイトカインの産生を認めた。ブレオマイシンと共にrecombinant SP-Aを細胞上清に加えたところ、これらの炎症性サイトカイン産生は抑制された。また、Razonableらの報告によるとブレオマイシンによる炎症はTLR2を介するとされるため、HEK293細胞にTLR2を遺伝子導入し、ブレオマイシンで刺激したところ、濃度依存性に炎症性サイトカインの産生を認めた。これらの結果よりブレオマイシンによる炎症性サイトカインはTLR2依存性に肺胞マクロファージから産生され、SP-Aがその制御に関与していることが示唆された。
次年度に肺コレクチンのTLRsとの結合性や更なる機序の解明を行いたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画で推測した実験計画通りに実験結果が得られている。蛋白の合成など時間のかかる作業も医化学講座に提供していただくことで遅滞なく行えている。

今後の研究の推進方策

平成23年度、24年度に得られた結果を基にして、TLRsと薬剤や肺コレクチンの結合性について検討を進める。さらに、TLR2やTLR4のリガンドであるpeptidoglycanやlipopolysaccharideを用いてTLRsを介するTNF-αなどの炎症性サイトカイン産生に対する肺コレクチンの効果を検討する。
週齢8週のSP-A(-/-)マウス、SP-D(-/-)マウス及び野生種C57BL/6 マウスにSP-A、SP-Dをネブライザーにより投与し、肺障害の程度を評価する。

次年度の研究費の使用計画

マウスを用いたin vivo実験を行うため、実験動物購入費が必要である。薬剤投与による炎症評価をELISA法で行うため、試薬が必要である。また、論文投稿にも費用が生じる見込みである。

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公開日: 2014-07-24  

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