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2011 年度 実施状況報告書

LPS惹起肺水腫におけるHGFによる回復機構

研究課題

研究課題/領域番号 23591157
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

岩崎 吉伸  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00203373)

研究分担者 丸中 良典  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00127036)
新里 直美  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00237645)
有本 太一郎  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30457965)
上田 幹雄  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40457966)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード肺水腫 / HGF / LPS
研究概要

LPS惹起肺障害における肺胞上皮細胞のHGFの遺伝子発現・蛋白発現を検討した。さらにLPS惹起肺障害におけるHGF発現にIL-1、TNFの関与についても検討した。LPSを気管内投与し、肺障害マウスモデルを作成した。LPS投与直後に抗IL-1β抗体、抗TNF-α抗体を気管内と静脈内に投与した。さらに肺血管内皮細胞を分離培養し、LPS、HGFを添加によるアクチン細胞骨格についても検討した。1) 摘出肺を用いて、肺胞上皮細胞HGF遺伝子発現・蛋白質発現を、Microdisection法を用いて、Real Time RT-PCR法、Northern Blot法、免疫組織染色により検討したところ、LPS肺障害モデルにおいて遺伝子発現、蛋白発現とも惹起された。また、抗IL-1β抗体、抗TNF抗体により、これらの発現が抑制された。2) マウス肺から血管内皮細胞を分離培養し、LPS添加24後にRhodamine-phalloidin染色を行い、蛍光顕微鏡でアクチン細胞骨格を観察した。HGFの添加によりアクチン細胞骨格の破壊が抑制された。3) マウス肺の気管支肺胞洗浄液中のマクロファージを単離し、LPS添加6時間後に上清中のIL-1β、TNF-αをELISAで測定したところ、LPSによりIL-1β、TNF-αが誘導された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

LPSによる肺障害マウスモデルは、LPSを気管内投与し、24時間後には、安定した肺障害モデルが作成きるようになっている。そのため、一定の条件下での検討が可能となっている。LPS投与直後に抗IL-1β抗体、抗TNF-α抗体を静脈内に投与したin vivoの実験系と肺血管内皮細胞を分離培養し、LPS、HGFを添加することによるin vitroの実験が平行して行なっているが、それぞれの実験結果を基に定期的にカンファレンスを持ち、共通の認識を持つことでそれぞれの分担者の研究の修正点等が明らかとなり、比較的順調に進展している。具体的には、新里直美(分担者)らにより、摘出肺をもちいた実験が行なわれ、肺胞上皮細胞HGF遺伝子発現・蛋白質発現が、LPSにより亢進されることを確認した。現在、抗IL-1β抗体、抗TNF抗体による肺胞上皮におけるHGF遺伝子発現・蛋白発現が抑制されるかどうかを検討している。また、岩崎吉伸(代表者)、丸中良典(分担者)らにより、マウス肺から血管内皮細胞を分離培養し、LPS添加24後にRhodamine-phalloidin染色を行い、蛍光顕微鏡でアクチン細胞骨格を観察し、HGFの添加によりアクチン細胞骨格が安定することが確認できた。また、マウス肺の気管支肺胞洗浄を行ない、洗浄液中のマクロファージを単離し、LPS添加6時間後に上清中のIL-1β、TNF-αをELISAで測定が順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

LPS投与により、HGF遺伝子・蛋白発現にどのような影響を及ぼすのか、また、HGFがLPS惹起肺水腫に対し、どのような影響を及ぼすのかを解明するために、LPS投与後に抗IL-1β、抗TNF-α抗体を投与し、組織学的に検討する。すなわち、LPSによって引き起こされる肺胞上皮のアポトーシスに対し、HGFが抑制的に働くかどうか検討する。Bax、Bcl-2、p21、p53をRT-PCR法にて測定し、Baxを介したアポトーシスかどうか検討する。さらに、 肺血管透過性が、抗HGF抗体により増強されるかどうかを検討する。マウス肺からII型肺胞上皮細胞を分離培養し、LPS添加後に、さらに抗CD14抗体を添加し、蛍光酵素遺伝子に結合したNFkB反応領域(IL-8プロモータ)を用いてシグナリングを測定し、機能的影響を検討する。マウス肺の気管支肺胞洗浄を行ない、洗浄液中のマクロファージを単離し、LPS添加直後に抗CD14抗体、抗TLR4抗体を添加し、抗CD14抗体、抗TLR4抗体のHGF産生に及ぼす影響を検討する。

次年度の研究費の使用計画

1) 肺障害を組織学的に検討する。TUNEL染色にて肺胞上皮細胞のアポトーシスを検討する。また、抗HGF抗体によりアポトーシスが増強すること、HGFによりアポトーシスが抑制されることを検証する。2) Bax、Bcl-2、p21、p53をRT-PCR法にて測定し、Baxを介した肺胞上皮細胞のアポトーシス誘導を検証する。また、HGFによるアポトーシスの抑制効果についてもその機序を検証する。3) 肺血管透過性を131Iで標識したアルブミンの血管内から気管支肺胞洗浄液中に漏出した量で検証する。抗HGF抗体により血管透過性が増強されることを検証する。4) マウス肺からII型肺胞上皮細胞を分離培養し、LPS添加後に、さらに抗CD14抗体を添加し、蛍光酵素遺伝子に結合したNFkB反応領域(IL-8プロモータ)を用いてシグナリングを測定し、機能的影響を検証する。5) マウス肺の気管支肺胞洗浄を行ない、洗浄液中のマクロファージを単離し、LPS添加直後に抗CD14抗体、抗TLR4抗体を添加し、抗CD14抗体、抗TLR4抗体のHGF産生に及ぼす影響を検討する。

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公開日: 2013-07-10  

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