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2011 年度 実施状況報告書

肺癌組織におけるペプチドトランスポータPEPTの発現と機能:臨床指標との関連

研究課題

研究課題/領域番号 23591174
研究機関公益財団法人田附興風会

研究代表者

竹村 昌也  公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第2研究部, 主任研究員 (30378707)

研究分担者 福井 基成  公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第2研究部, 部長 (50342697)
弓場 吉哲  公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第4研究部, 研究主幹 (90465948)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード肺癌 / ペプチドトランスポーター / PEPT
研究概要

細胞膜上に発現するペプチドトランスポーターPEPTsは生体内のペプチドやペプチド製剤の輸送に関与する蛋白である。その幅広い基質認識性と高い親和性ゆえに薬剤送達の標的分子として注目されている。近年PEPTsが多くの腫瘍細胞株に発現・機能していることが確認されているが、肺癌組織におけるPEPTsの発現・機能について検討した報告はない。本研究では肺癌組織におけるPEPTsの発現・機能について分子生物学的解析を行い臨床データとの相関について検討する。これまで肺癌患者13人(男8名:女5名, 平均69.1歳, 腺癌9名 扁平上皮癌4名)より肺癌組織および正常気管支組織を採取した。1.肺癌組織および正常気管支におけるPEPTsの基質である蛍光ペプチドD-Ala-Lys-AMCAを高純度で作成し、ペプチド基質取り込み実験を行った。pH、温度、培養時間等の調節に時間を要したが、癌組織および正常組織への蛍光ペプチド取り込みを認め、再現性も確認できた。癌組織の壊死部では取り込みは見られなかった。今後引き続き症例集積を行い定量評価を行う。2.肺癌組織および正常気管支におけるPEPT2の蛍光免疫染色を行った。癌細胞では癌細胞表面が染色されることを確認した。および正常気管支上皮に染色を確認した。今後、症例集積を行いながら肺癌組織および正常組織のPEPTsの基質取り込み試験、免疫染色、ウエスタンブロッティングおよび定量PCRを行い組織型や臨床データとの関連を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肺癌組織におけるペプチドトランスポーター(PEPTs)の取り込み機能を調べるために必要な蛍光ペプチド基質であるD-Ala-Lys-AMCAの作成に時間を要した。高純度のペプチド合成を行うため4ヶ月を要した。ペプチド基質取り込み試験においても、細胞株と実際のヒト肺組織と違い、当初考えていた培養条件では癌細胞内に取り込みが確認されなかった。pHや培養温度、培養時間等で最適条件を見出すのに時間を要した。13例のうち9例目より安定した基質取り込みが確認されるようになっている。

今後の研究の推進方策

肺癌組織および正常気道上皮において基質取り込み能および免疫染色性が確認されたため、今後引き続き症例を集積し、以下の実験を実施していく。(1)定量的RT-PCR:肺癌組織および非癌組織におけるPEPT1, PEPT2の発現についてmRNAレベルで調べる。肺癌組織および非癌組織よりRNAの採取を行う。RNA抽出は市販のキットを用いて採取する。リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystem)を用いて定量的にmRNA発現量を調べる。(3)免疫組織化学的検査:肺癌組織および非癌組織におけるPEPT1, PEPT2の発現を蛍光免疫染色で調べる。(4)生化学的検査:PEPT1およびPEPT2蛋白の定性解析のためウェスタンブロッティング(WB)を行う(5)取り込み試験(Ex vivo):肺癌組織および非癌組織におけるPEPTsの取り込み能を調べるため、PEPTsの特異基質であるD-Ala-L-Lys-N-epsilon-7-amino-4-methylcoumarin (D-Ala-L-Lys-AMCA)およびその競合阻害剤であるジペプチドGlycyl-(L)-Glutatamine (Gly-Gln)を用いる。

次年度の研究費の使用計画

2回目に発注した蛍光ペプチドの作成に時間がかかり、予定より1ヶ月以上遅れたため納品が次年度に持ち越される結果となった。その他、主に蛍光ペプチドの作成や、PCR関連の試薬・プライマー、蛍光免疫染色やウェスタンブロッティングに使用する抗体および試薬、また学会・研究会出席のための参加費や出張費に使用予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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