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2012 年度 実施状況報告書

糖尿病性腎症の発症に関わるマイクロRNAの同定とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23591177
研究機関秋田大学

研究代表者

藤田 浩樹  秋田大学, 医学部, 講師 (30333933)

研究分担者 山田 祐一郎  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60283610)
キーワード糖尿病性腎症 / マイクロRNA
研究概要

マイクロRNA (miRNA) は、18~25塩基長の小さな一本鎖RNAであり、それ自身はタンパク質をコードしないノンコーディングRNAである。miRNAの標的はmiRNA自身と塩基配列相補性を示すmessenger RNA (mRNA)であり、その分解を導くか、またはタンパクへの翻訳を阻害することにより、標的遺伝子の発現を抑制するように働いているものと考えられている。糖尿病性腎症(以下、腎症)の病態におけるmiRNAの役割について解明するため、我々は、腎症への感受性の異なる2種類のAkita糖尿病マウスC57BL/6-AkitaとKK/Ta-Akitaの腎糸球体RNAを用いてマイクロアレイ解析を行い、腎症抵抗性C57BL/6-Akitaに比して、進行性腎症をきたすKK/Ta-AkitaでmiR-302b、miR-376b、miR-669b、miR-669k、miR-290、miR-302c、miR-377、miR-465cのmiRNA群の発現増加を明らかにした。この結果に基づき、まず、miR-302、miR-669それぞれのmiRNAプラスミドを用いて、腎症抵抗性C57BL/6-AkitaにこれらのmiRNAを過剰発現させ、その後の腎病変の変化を観察したが、アルブミン尿の著明な増加や腎糸球体結節性病変の形成など、有意な腎症の進行は認められず、C57BL/6-Akitaの腎症感受性を高めることはできなかった。引き続き、KK/Ta-Akitaで発現増加が観察された残りのmiRNAについても、腎症抵抗性C57BL/6-Akitaに過剰発現させ、その機能解析を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、糖尿病性腎症(以下、腎症)への感受性の異なる2種類のAkita糖尿病マウスC57BL/6-AkitaとKK/Ta-Akitaの腎から単離した糸球体のRNAを用いてマイクロアレイ解析を行い、両者で発現に違いのみられるmiRNAの同定はすでに終了している。マイクロアレイ解析の結果に基づいて、腎症の発症進展に関与すると思われるいくつかのmiRNAのうち、2つのmiRNA群について解析を行ったが、腎症との関与を明確に示すデータは得られなかった。引き続き、腎症との関与の可能性がある残りのmiRNA群について、機能解析を行っていく予定である。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、糖尿病性腎症(以下、腎症)への感受性の異なる2種類のAkita糖尿病マウスC57BL/6-AkitaとKK/Ta-Akitaの腎から単離した糸球体のRNAを用いてマイクロアレイ解析を行い、両者で発現に違いのみられるmiRNAを同定するところまでは順調に終了した。さらに、マイクロアレイ解析の結果に基づいて、腎症の発症進展に関与すると思われるいくつかのmiRNAのうち、2つのmiRNA群についてはすでに機能解析が終了した。今後も引き続き、腎症との関与の可能性がある残りのmiRNA群について、機能解析を行っていく予定である。この研究を推進するためには、マウスの購入および維持管理のための費用、遺伝子導入に用いる試薬購入の費用など研究費が必要であり、次年度使用額が生じるに至った。

次年度の研究費の使用計画

miRNAの機能解析を進めるため、次年度に請求する研究費は、実験動物購入費、実験動物維持管理費、実験試薬購入費および成果発表のための旅費として使用させていただく予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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